「下町ロケット」バスツアーは何がスゴイのか ロケ現場の会社は現実世界でも熱かった
こんな熱い人たちが参加して、ツアーはスタート。東京駅を出発した直後は、篠崎さんも「正面に見えるのが国会議事堂でございます」と、普通のアナウンスをしていた。
だが、目的地に近づくと、スピーカーから下町ロケットのオープニング曲が流れ、期待は否が応にも高まってきた。そして細い路地を曲がったところに、桂川精螺製作所の建物が見えた。鉄塔に書かれた看板の文字が佃製作所ではないことを除けば、テレビで見たのとまったく同じだ。
この日は土曜日で会社は休みだったが、大嶌さんが一行を出迎えてくれた。玄関を入ってすぐ目に飛び込んできたのが、天井からぶら下げられた「品質が世界をリードする」という標語。ドラマでは「佃品質、佃プライド」という標語がぶら下げられていた。「撮影のたびに取り替えていました」(大嶌さん)。
ドラマに出てきた食堂も実際は…
ドラマと同じ受付カウンターが備えられていた。「当社のカウンターはもともと違うものでしたが、撮影で使われたものを記念に譲ってもらいました」。
2階には、佃社長が全社員を前に熱く語った食堂がある。桂川精螺でも、新年には社長が全社員を食堂に集めて、その年の抱負を述べたりするそうだ。「この食堂の定員は400人ですが、佃製作所は社員200人の設定なので、撮影時は半分しか使っていません」。どうりで広いと思った。
このほかにも、作業現場や社員たちが行き来する倉庫などを見せてくれた。見学者たちは、はとバスやエキストラさんたちの用意した作業服に着替え、殿村経理部長や山崎技術開発部長のモノマネをしながら、思い思いのポーズで写真を撮っていた。
大嶌さんが撮影秘話を披露してくれた。ロケ地に選ばれた理由は、ドラマの制作スタッフが佃製作所のロケ地をあちこち探していた時に、この建物に出くわしたからだという。「監督が古めかしい雰囲気を気に入ってくださったようです」。
撮影条件が業務の支障にならないというのはもちろんだったが、1つだけ大嶌さんは注文をつけた。ドラマの下町ロケットの設定は大田区ではなく、江戸川沿い、葛飾区あたりにある町工場という設定だったというのだ。
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