「下町ロケット」バスツアーは何がスゴイのか

ロケ現場の会社は現実世界でも熱かった

ガイドの篠崎さん(左)と企画を担当した中嶋さん。今日だけは作業服姿

予想は的中し、1月16日開催の初回ツアーは首尾よく満席に。静岡、新潟、徳島など、全国から参加申し込みがあった。

徳島県からやってきたという女性は「私も町工場で働いている。ドラマで描かれるモノづくりへの熱意に共感します」と目を輝かせる。実際、このツアーの参加者には製造業で働く人が多いようだ。自分と同じ環境下で歯を食いしばっている登場人物たちに感情移入してしまうのだろう。

子供の参加者もいた。父親と一緒に参加した、都内の小学校3年生の男の子。てっきりお父さんがファンなのかと思ったら「1~2回しか見たことがありません」。お子さんが大ファンだという。「財前部長が大好き」。帝国重工の財前部長を演じる吉川晃司さんが「仮面ライダー」シリーズにも出演しているのが、下町ロケットを見るようになったきっかけだそうだ。

バス会社のうわてを行くツアー参加者

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佃製作所や帝国重工の作業服を持参してきた参加者も

このツアーを担当するガイドは、入社2年目の篠崎友里江さん。同社では、どのツアーを担当するかは3日前にガイドに伝えられる。普段のツアーなら「準備に3日もあれば十分」という篠崎さんだが、今回は焦った。

ドラマを見たことがなかったのだ。「ネットで一気に見て勉強しました」。

永野さんはツアーのために、ドラマで使われているのとよく似た作業服をS、M、Lの3種類準備した。胸には「佃製作所」の代わりに、「はとバスヒット商品製作所」という刺繍を入れた。「製作所の前でこれを着てもらい、写真を撮って、ドラマの登場人物のような気分を参加者に味わってもらえれば」。刺繍代込みで1着999円。費用の割に効果は大きそうだ。

ところがツアー当日、永野さんのこんな心配りは、いい意味で裏切られた。ツアー参加者の中に、佃製作所や帝国重工の作業服を着ている人たちがいたのだ。

この人たちはドラマのエキストラ仲間。あちこちのシーンにさまざまな役柄で登場していた。ドラマで使われた作業服を作っているメーカーから同じものを購入し、自分で佃製作所や帝国重工のマークを付けたという。

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