なぜか誤解が多い「ニキビ」の知識と対策法 生活のツケは積もり積もって肌に出る

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誤解ⅲ:ニキビができる人は男性ホルモンが多い。

これもよくある誤解です。男性ホルモンはニキビの発症に関与しており、男性ホルモンが多いと確かにできやすいとはいえますが、男性全員にニキビができるわけではなく、また男性ホルモンが多くない人でもニキビはできます。男性ホルモンを気にしてみても、薬で下げることなどはできません。

誤解ⅳ:乾燥するとニキビができる。

最近、スキンケア業界でよくいわれることですが、これを間違って解釈して、クリームなどを塗りすぎてニキビを増やしてしまう人が多いので要注意です。

ニキビ対策は?

ではニキビ対策は、どうしたらよいのでしょう。

対策ⅰスキンケア

肌表面の角質層の水分が減ると、角質が硬くなって毛穴がふさがれ、ニキビができます。角質に水分を与えてやわらかく保つことが重要です。セラミドなどの保湿成分を含む美容液を使いましょう。油分の与えすぎは禁物です。クリームやオイルなどの油分はすべて、アクネ菌の栄養源になります。また、朝晩きちんと石鹸で洗顔して皮脂を落とすこと、脂取り紙で余分な皮脂を取ることも大切です。

対策ⅱ生活改善

睡眠不足は免疫を低下させ、ニキビの原因になります。早寝早起きがいちばん大切です。次が食事ですが、甘いものや脂っこいものはインスリン分泌を増やし、インスリンは男性ホルモンを増やします。そのために、これらの食べ物はニキビを悪化させるのです。魚や野菜を中心としたバランス良い食事を心がけましょう。

対策ⅲストレスケア

ストレスでホルモンバランスが乱れてニキビができる人がいます。交感神経が優位にあると、ストレスの影響を受けやすくなります。副交感神経を活性化するように、寝る前にぬるめのお風呂につかる、腹式呼吸をする、ウォーキング程度の軽い運動をするなどを実践しましょう。

ニキビができてきた人に、生活改善してくださいとお伝えすると、「睡眠不足や外食中心の不規則な生活は何年も前からだけど、ニキビは先月からだから、生活は関係ないです」とよくいわれます。しかし、生活のツケは、積もり積もって肌に現れてくるので、関係ないとはいえません。ニキビは肌の生活習慣病のようなもの。不規則な生活が続くと、それが蓄積して病気を発症するのと同じです。

ニキビを治したいのであれば、肌によくない生活は、それがたとえ何年も前からの習慣であっても、改めることが大切です。蓄積があるので、生活を改善してもすぐにニキビが治るとは限りませんが、よい生活を習慣づけるよう努力してください。

皮膚科で薬をもらうのもよいですが、生活を改善したほうが、ニキビの治りはがぜんよくなります。

皮膚科では、抗生物質の内服や漢方薬、塗り薬などで治療します。ニキビ跡に関しては、自費治療になりますが、レーザーやピーリングなどの治療が行われています。参考にしてください。

吉木 伸子 皮膚科・美容皮膚科医院長

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よしき のぶこ / Nobuko Yoshiki

皮膚科・美容皮膚科「よしき皮膚科クリニック銀座」院長。皮膚科医。1993年横浜市立大学医学部卒業、 同年慶応義塾大学病院 皮膚科学教室に入局。1994年浦和市立病院(現さいたま市立病院)皮膚科勤務。1996年埼玉県大宮市(現さいたま市大宮区)のレーザークリニック勤務。その間、アメリカ・オハイオ州クリーブランドクリニック形成外科、日本漢方研究財団附属渋谷診療所にて、美容医療および東洋医学の研修を行う。日本美容学校皮膚科非常勤講師を兼任。
1998年「よしき皮膚科クリニック銀座」を開業、現在にいたる。TV出演や雑誌の連載など多数。主な著書に『美容皮膚科医が教えるあこがれ「美人」のつくりかた』(日本文芸社)や『いちばん正しいスキンケアの教科書』(西東社)などがある。
 

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