さらに明確な変化は刑事告発の急増だ。上級公務員の数人が最近、汚職捜査の一環として、家宅捜索を受けた。ノーベル平和賞を受けた組織を率いていた環境問題専門家のラジェンドラ・パチャウリ氏も、セクハラの疑いで非難された。
一方、銀行は融資を借り換えさせることに慣れた大口の借り手に、返済を要求し始めた。華やかなライフスタイルと相次ぐベンチャー投資失敗で知られる実業家のビジェイ・マリヤ氏は、故意にデフォルト(債務不履行)を行ったとして取り調べを受けている。
こうした動きの多くは、数ヶ月前では考えられなかっただろう。ただ、政争への批判も強い。12月19日には、野党の国民会議のソニア・ガンジー総裁とその息子のラフル・ガンジー副総裁が、汚職容疑で出廷を余儀なくされた。これを受けて国民会議派の議員は立法活動を数日間停止した。2人はすぐに保釈された。
反撃への懸念も
ガンジーに対する訴訟は、注目を浴びている他の調査の数々と同様、何年も尾をひく可能性がある。告訴が取り下げられる例が出るかもしれない。しかし、旧エリートのメンバーが嫌疑をかけられて取り調べを受けていることは、彼らが長いこと訴追されない特権を享受してきたこの国では、否定できない進歩である。
今後の課題は、モディ首相が、こうした成果を着実に続けることができるかどうかだ。エリートは、弱さの兆候が現れた時点で即座に反撃するパワーを持ち、著しく立ち直りが早い。革命後のフランスから現代のタイまで、歴史は、旧来のエスタブリッシュメント一掃が誤ちを招くことを、何度も示してきた。
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