好調「MUJI」が中国200店体制へ怒涛の出店 化粧水などスキンケアが中国人に大受け

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さらに松崎社長は「中東でアクセルを踏む」と宣言。今年中にサウジアラビア、カタール、バーレーンの中東3カ国に、新規出店する方針も掲げた。中東エリアでは、原油価格下落で消費者の購買力が落ちているものの、すでに3店展開するアラブ首長国連邦(UAE)でのライセンス事業が好調なためという。さらに今年はインドへも初出店する方針で、日本の小売りとしては異例の海外展開を進めている。

国内も堅調だ。ユニクロが足元で失速しているのとは対照的に、無印は主力の婦人ウエアが17%増(3~11月期)と、衣服・雑貨事業も含めて全般的に調子がいい。暖冬の影響で、11月はニットなど一部商品が伸び悩んだが、今期からシーズンごとの発注回数を2回から3回に増やすなど、発注量を調整。在庫数は衣服・雑貨で前期の79.6%の水準まで減らしており、在庫コントロールがうまくいっていることが伺える。

戦略商品に掲げる「体にフィットするソファ」は、2002年の発売以降、14年目にして過去最高の売上高を記録。SNS(交流サイト)で、「人をダメにするソファ」として注目されたのをバネに、増産体制の構築や店頭での展開を強化したことが奏功した。そのほか、「スチールユニットシェルフ」や「スタッキングシェルフ」をはじめ、ファニチャーも人気が高いという。

無印流を海外にも移植する

既存店売上高は、客数でみると、ユニクロと同様に前期割れが目立つが、付加価値の高い商品「こだわりたいね」の構成比率上昇で、客単価が大きく上昇したことが奏功している。

さらにはインバウンド需要も取り込む。中国人など外国人には、アロマディフューザーやハードキャリーケース、壁掛け式CDプレーヤーなどが人気商品であり、免税実施店(現56店)での免税売上高構成比は8.9%に上り、客単価は1万8500円と高水準だ。

2015年6月に就任した松崎社長は西友出身。2005年から良品計画に転じ、海外事業部を長く担ってきた。今後は日本で成功した店舗運営、人材育成の仕組みを、海外にも積極的に移植していく方針だ。海外でも「MUJI」は勝ち続けることができるのか、要注目である。

冨岡 耕 東洋経済 記者

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とみおか こう / Ko Tomioka

重電・電機業界担当。早稲田大学理工学部卒。全国紙の新聞記者を経て東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などにも所属し、現在は編集局報道部。直近はトヨタを中心に自動車業界を担当していた。

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