(第19回)「四字熟語・故事ことわざ」で綴る就職支援・第六話『面接入門』其の一

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個別面接は“出逢いのチャンス”と企業は考える
集団面接は落とす面接だ

 集団面接とは、面接官1~2名に対して、学生が10人前後と多いケースを指す。この場合は、20~30分間という実に短い時間での面接となる。それゆえ、筆者はあえて「落とすための面接」と位置付けている。なぜなら、筆者の集団面接における面接官の体験では、個々人(学生)のことがほとんど理解できなかったからだ。同じような質問をぶつけ、同じような答えが返ってきても、その個人の考え方などわかるはずもない。ましてや、どのような判断のもとに、合否が決められるかも「五里霧中」だ。あえて申し上げるならば、こうした集団面接のみで採用を決めているような企業には、「人を大切にする」という想像すら見えてこない。「面接のやり方を見て、企業を判断しなさい!」と声を大にして訴えたいところだ。なお、集団面接での注意点を二点ほど述べておくと(本当は入社してほしくはないが…)、まず第一に「私は…」という話し方をすることだ。人数が多いため、同じような返答が続く中で「○番目の方と同じです」。という言葉では面接官の記憶に残るはずもないからだ。次に、「結論を先に話すこと」を心がけよう。これは個人面接においても重要な話し方となるが、とりわけ、時間が少ない集団面接では有効なポイントといえるだろう。

 個別面接とは、学生1~5人に対して、企業側1~3人という形式だ。いずれの人数の組み合わせでも、ここでは「個別面接」と位置付けたい。この面接は、集団面接に対して「入れるための会話の機会」としてとらえたい。いわば、企業側は、学生との“出逢いのチャンス”と位置づけているとなるだろう。採用人数は限られているため、結果として、“落とされる人”が出てくるのは止むを得ない。それでも、入れるための面接と定義する意味はどこにあるのか?それは、筆記試験のように「○点以上がボーダーライン」という考えではないからだ。なぜ、企業は学生を採用するか。答えはひとつ。将来、一緒に働ける人材かどうかを見極めるために面接=会話を通し、その可能性を判断するからだ。この意味からすれば、万が一、その企業の面接で落とされたとしても、みなさんの人間性が否定されたわけではないと考えられないか。個別企業の採用基準は決して一定のものではない。「十人十色」という言葉を思い起こしてもらいたい。企業はあくまでも「わが社で伸びる可能性のある人材にめぐりあいたい」のだ。

 さて、個別面接は何のために行われるか、の“まとめ”をしよう。応募書類(エントリーシートや履歴書)、筆記試験、SPI検査などでは見えてこない、その人の人柄やものの考え方、ポテンシャル、入社に対する意欲などを「直接」会話で確認するために行われると認識してもらいたい。いくつかの質問に対する答えの一つひとつを積み重ねていって、その人の全体像を作っていく「作業」とも企業は考えている。あなたが“どのような人か”を判断するのが面接なのだ。
 だからこそ、決して特別な場ではなく、特別な行為ではないといえよう。実際に会って会話をする中で、会社に来てほしいと思える人かどうかを、面接官がごく普通の感覚で観るものなのだ。みなさんが、初対面の人に対して「真面目でおとなしい」などと無意識に感じる行為と、ある意味ほとんど変わりはない。どうだろう?「案ずるより産むが易し」とみなさんの思考法を改めてもらいたいのだが…。取り越し苦労の必要はないぞ!
菊地信一(きくち・しんいち)
昭和27年仙台市生まれ。仙台一高、早稲田大学商学部卒業後、株式会社文化放送ブレーンを経て、平成2年より「現代職業工房」を主宰。この間一貫して人材採用をテーマに、採用戦略・計画に関するコンサルティングを行ってきた。企業と学生、両者を知り尽くした公正な立場に基づく本音のアドバイスは、企業セミナー、各種講演会でも好評を博している。『履歴書職務経歴書づくりの達人』(中経出版)、『就職活動のすべてがわかる本』(同文館出版)、『日経就職百科』(日経事業出版社)、『自己分析からはじめる就職活動 2010年度版』(日本実業出版社)、『キャリアデザイン入門』(光生館)など、就職関連の著書は45冊を数える。
現在、日本工業大学教授、北星学園大学非常勤講師、東北学院大学非常勤講師、コズモワールド顧問、文化放送キャリアパートナーズ学生支援部顧問キャリアアドバイザー、日本ジャーナリストセンター主任講師を務めるほか、講演・講義を行ってきた大学は85校にのぼる。
佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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