台湾の新興政党は、何を目指しているのか 緑党社会民主党連盟主席が語る政治理念

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社会民主党の主席を務める笵雲氏(左)
1月16日に実施される台湾の立法院(国会)選挙では、「第3勢力」と呼ばれる新興政党の活躍がめざましい。そんな政党の一つ、社会民主党は2015年に設立され、今回の選挙では緑党と連合を組んで「緑党社会民主党連盟」として候補者を出している。現在最大2議席の獲得が予想されている。
そのうち、社会民主党の創設メンバーであり、社会民主党の主席を務める笵雲(Fan Yun、47)氏自らも立候補し、当選を目指している。笵主席は国立台湾大学で教鞭を執る一方、女性問題など社会運動に積極的に主導・参加してきた経歴を持ち、政界でも影響力のある人物だ。笵氏に、今回の選挙戦と緑党社会民主党連盟が果たす役割について聞いた。

政府に再分配の公平さを最重視

──国民党や民進党と比べると、緑党社会民主党連盟の政策的主張は、社会における公平さや福祉政策に重きを置いているようだ。笵雲主席をはじめ緑党社会民主党連盟のメンバーが立法院入りすれば、まず実現できる目標は何か。

過去、台湾の経済発展は労働者の待遇や労働条件、そしてこの土地の自然環境が常に犠牲の対象になっており、これらを改善できればいいと考える。経済の目的は、より多くの人たちによりよい生活をつくることだ。貧富の格差が深刻になり、特に若者たちが就職する過程における処遇もとても低く、また住居費も上昇して高い。若い層に未来が見えず、私たちは台湾の経済における分配を再び調整し、公平性のある「経済民主化」の方向へ進むことを望んでいる。

労働者の労働環境と条件、そして環境汚染の問題、次は多様性と民主、弱者が差別され軽視される問題、これらはすべて国民党・民進党に対し最も不満に思う部分だ。私が望む「新政治」は、分配における公平さに注目した政治だ。

──2014年に行われた台湾地方選挙の後、笵主席はもともと「時代力量」の黄国昌教授とともに「公民組合」を結成した。その後、公民組合は「時代力量」と「緑党社会民主党連合」に分離してしまった。両党における理念において、最も差が出ているものは何か。

私たちは時代力量よりも、分配における正義と世代間格差の二つを重視している。この差だ。

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