台湾・国民党が総統選候補者をすげ替えた

前代未聞の処置でも支持率上昇は期待薄

台湾主席候補になった国民党の朱立倫氏 (写真:REUTERS/Pichi Chuang)

正式な手続きを経て選出された候補者がその資格を取り消される、そんな前代未聞の事態が台湾で発生した。

来年1月に総統選挙が実施される台湾。与党の中国国民党(国民党)の総統候補で立法院(国会)副院長の洪秀柱氏(67)が17日、国民党の臨時党大会で公認を取り消され、交代させられた。代わりに台湾北部・新北市市長で国民党主席の朱立倫氏(54)を指名、選挙戦を戦うことになった。

一度決めた候補者を取り消すのは極めて異例。洪氏は7月の国民党大会で候補者として選出されたものの、問題発言を乱発し支持率が上がらぬまま。総統選挙と同日に実施される立法院選挙で立候補予定の国民党議員などが支持率低迷の悪影響を怖れ、候補者の交代を求む声が日増しに強まっていた。洪氏は公認取り消しには徹底抗戦する姿勢だったが結局、「受け入れざるを得ない」とし、決定に従った。

予備選でだらしなかった本命が登場

新候補者となった朱氏は、台湾大学卒業した経済学者出身。現在の馬英九政権下で着々と頭角を現し、2009年には行政院副院長(副首相)を務め、2010年から新北市長を務める。今回の候補者選びでも「本命中の本命」とされながらも、昨年再選されたばかりの市長職を「辞めるわけにはいかない」と主張し、固辞していた。

そもそも、洪氏が選出されたのは、朱氏をはじめ立法院院長(国会議長)の王金平氏、副総統の呉敦義氏といった本命グループが7月の予備選で相次いで立候補を辞退したため。朱氏や王院長は馬英九総統との確執があったことが原因という噂も流れたが、結局、「男たちのだらしなさに見かねて女性の洪氏が立候補。ほかに誰もいなかったのでそのまま選出された」(台湾紙記者)のが実状だった。

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