焦点は12日安値1万7184円で下げ収まるか 指標は超底値圏を示し買いサインを示唆

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いずれにしても、ここまで下げてしまいますと、立ち直るには時間がかかります。よくても4月ごろまではもみ合い相場の可能性が高くなってきました。ドル円相場や米国株にも同じことがいえると思います。しかし、もみ合い相場は次のステップのためにエネルギーを蓄積する意味合いがあることから、決して悪い動きではありません。

さて、東証1部の値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割って市場のモメンタムを図るものに、騰落レシオという指標があります。一般的には25日間の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数を使います。先週末からいろんな記事で話題になっていました。騰落レシオ(25日)は一般的には120%以上を株価の過熱圏と判断、70%前後は相場の底値圏と判断します。

ただ、実際の相場では120%以上になってもしばらく株価の上昇が続くことが多く、120%以上になったからといって持ち株を手放すと利益を取り逃がしてしまうこともしばしば。一方、70%前後で底値圏を示し、実際の株価の底入れもほぼ一致することが多いのです。つまり、騰落レシオは過熱圏よりも底値圏で有効に機能する指標です。

今こそ思い出したい「人の行く裏に道あり花の山」

12日現在で57.8%まで低下し、売られ過ぎどころか、50%台まで低下したのは2012年6月の59%台以来のこと。あまりみたことがない水準で、現在は買いサインを示唆している状況です。こういうときは、周りの総悲観に同調せず、新聞やニュースをみないで底値サインだけを信用する。少し言い過ぎかもしれませんが、「人の行く裏に道あり花の山」なのです。

それと前回の本稿で取り上げた、日銀による異次元緩和の補完措置の導入が発表された日(12月18日)の日経平均株価の珍しいローソク足「上ヒゲの長い陰線」について補足したいことがあります。「上ヒゲの長い陰線」を中心に、過去と未来が同じ時間を経過するタイミングで重要なことが起きうるということをお話いたしましたが、現在のところはそんな感じになりそうです。

たとえば、12月1日の高値から「上ヒゲの長い陰線(12月18日)」までは「14日間」です。「上ヒゲの長い陰線」から将来同じ時間が経過するのが1月12日となります。目先的な安値として分岐点になりえるタイミングです。日柄の倍返しというやつです。

結局、日銀による中途半端な政策がマーケットの混乱を倍化させてしまいったといっても過言ではありません。補完措置の導入が発表さる直前安値である12月15日安値(1万8562円)→12月18日高値(1万9869円)までの戻り幅1307円に対する倍返しの下げが1万7255円ですから、12日安値の1万7184円で「値幅も日柄も倍返しだ!!」ってことで、下げがこれでおさまればいいと思っています。

次ページ今後を左右するのはやはり…
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