苦境VWが新型「トゥーラン」に込めた"狙い" 輸入ミニバンの売れ筋を11年ぶり全面刷新
2015年のVGJは、競合する輸入車ブランドの好調もあり、実は排ガス不正問題が発覚する以前から苦戦していた。スヴェン・シュタイン代表取締役は「得意なコンパクト輸入車の競争が激しくなってきた一方で、競合他社を過小評価していた」と当時を振り返る。1月から8月までの累計販売台数では対前年比12.1%減。ベンツやBMWが対前年の販売台数を上回る中で、VWの独り負けが続いていた。
巻き返しをかけて7月以降には中型セダン「パサート」などの新型車を矢継ぎ早に投入。効果あって、8月、9月と回復基調が見えたその矢先、排ガス不正問題が発覚した。
排ガス不正の対象となった車種を展開していない日本でもイメージ悪化の影響は免れなかった。2015年累計の販売台数は、結局18.8%減の5.4万台まで落ち込んだ。本国ドイツでは4.0%増で、排ガス不正発覚の震源地となった米国でも対前年比1.2%増と、日本の減少幅が目立っている。
日本でも客足は徐々に戻っている
2015年7月に辞任した庄司茂前VGJ社長は、年間販売台数10万台を目標にすると宣言していたが、スヴェン・シュタイン社長は「むやみに10万台を追うことはしない」と前任者の目標販売台数を撤回した。
ただ、「People’s Car(大衆の車)を掲げる以上、輸入車ブランドNo.1でなければならない」(スヴェン・シュタイン社長)と、15年間輸入車トップを走り続けた意地を見せる。今秋以降にはコンパクトSUV「ティグアン」の導入など、2016年は昨年よりも新型車種のラインナップが充実する。
ショールームへの客足も、2015年末から徐々に戻りつつあるようだ。首位奪還に向け、まずは新型「トゥーラン」でスタートダッシュをかけたいところだ。
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