苦境VWが新型「トゥーラン」に込めた"狙い"

輸入ミニバンの売れ筋を11年ぶり全面刷新

2015年の東京モーターショーのフォルクスワーゲンのブース。ドイツ、米国では意外と健闘したが日本では販売が苦戦した(撮影:尾形文繁)

2015年は排ガス不正問題に揺れたフォルクスワーゲン(VW)。日本でもブランドイメージ悪化は避けられず、15年間守り続けた輸入車シェア首位の座からついに転落した。

年が明けた2016年1月12日、フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ)は起死回生をかけ、11年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型「ゴルフ トゥーラン」を発表した。会見の場でスヴェン・シュタインVGJ社長が繰り返したのは「信頼回復」という言葉だった。

現時点では、信頼回復のための具体的な取り組みはまだ構想中だが、「Volks(大衆の)+wagen(車)」というVWの本来の意味に立ち返り、顧客第一の基本に立ち返る方針を打ち出した。

自信のある小型ミニバンで勝負

新戦略の第1弾となるのが小型ミニバン「トゥーラン」だ。ファミリー層を主なターゲットにした3列シートの7人乗り小型ミニバンで、使い勝手の良い乗降性が特徴。自動ブレーキやドライバーの疲労検知システム、クルーズコントロールなど、安全技術や運転支援システムを充実させた。装備を充実させたうえで最低価格モデルは284万円に設定。国内メーカーの競合車種と比較して、「お買い得感」を打ち出すことで、国産車ユーザーからの取り込みを狙う。

2015年の輸入ミニバン市場は、「トゥーラン」が21.8%。トゥーランよりも一回り大きいミニバン「シャラン」が22.0%で、2つを合わせると、輸入車ミニバン市場の半数近くをVWが占める。「VWは輸入ミニバンの代名詞」(正本嘉宏VGJマーケティング本部長)と、自信のある小型ミニバンで首位返り咲きに向け、弾みをつけたいところだ。

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