GoToイートでも救われない外食チェーンの不満

支援策は脱・大手予約サイトに逆行している

Go To イートでは、農林水産省から委託を受けた企業のオンライン飲食予約サイトを使うことになっている。ポイント還元の対象となるのは「ぐるなび」やカカクコムの運営する「食べログ」などの大手予約サイトが中心だ。

その理由について、農林水産省の担当者は「迅速かつ消費者の使い慣れたサービスで展開するため、大手予約サイトを活用している」と説明。利用が系列店に限られる外食チェーンの自社サイトについては、「幅広い利用は見込めないと考え、キャンペーン対象から外した」(同)と話す。

予約サイトの送客手数料が重荷に

ただ、その説明に納得できない事業者は少なくない。近年、一定程度の事業規模を持つ外食チェーンを中心に、自社サイト上で予約を受け付け、ポイントを還元するなど、「脱・大手予約サイト」の動きがみられていた。

冒頭の外食チェーン経営者はその1人だ。年間で約1億円、営業利益の3割弱に相当する資金を自社サイトの運用費に投じ、自社での集客に力を注いできた。このような事業者からすると、外部の予約サイト上で展開されるGo To イートはせっかく囲い込んできた顧客の流出につながりかねない。

ローストビーフ高級店「ロウリーズ・ザ・プライムリブ」などを国内で49店舗運営するワンダーテーブルの秋元巳智雄社長も、大手予約サイトからの脱却を進めてきた。「大手予約サイトを解約する事業者が増えてきた、ここ2~3年の業界の潮流とGo To イートは逆行している」と指摘する。

外食向け人材サービスのクックビズが行った調査からも、外食事業者の大手予約サイト離れの傾向が見て取れる。サイトを「積極的に利用する」と回答した外食事業者は、2017年12月時点の13%から2020年3月時点で3.9%に落ち込んだ。

大手予約サイトは来店者1人当たり50~200円程度の送客手数料を外食事業者から徴収している。経済産業省によれば、外食事業者の営業利益率は平均8.6%。つまり、客単価が2300円を超えなければ、外食事業者は200円の手数料を払った後に利益が残らない計算となる。

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