青学・原監督が「言葉の力」を重視するワケ

箱根駅伝39年ぶり完全優勝の秘密

激闘を終えた翌朝の1月4日、私は「スッキリ!!」(日本テレビ)の現場で彼ら優勝メンバーと会う機会に恵まれました。

現場では渡辺選手自らの口から「復讐」のエピソードが披露されましたが、それを聞く原監督はひとつも動 じることなくニコニコとしていたのが印象的。むしろ「こういう『復讐』という語彙も、自分の中から出てくるからこそ意味がある」と解説を加えつつ、「言葉の力」を強調していたのです。

日ごろから「言葉の力」をたたき込まれているからか、メンバーたちのインタビューの受け答えが実にそつがないことにも、驚かされました。

その他、「学生が『僕はこう考えます』と言ってきたら、正反対の意見でも、まずは思うようにやらせてみる」など、チームマネジメントに役立つようなコミュニケーションテクニックは、数え上げればキリがないほどです。

監督婦人の「言葉の力」も

実は原監督の妻・美穂夫人も「言葉の力」に長けた人物のようです。

一介の中国電力のサラリーマンだったところへ監督の話が舞い込んできたのは、2003年のこと。オファーは3年間の嘱託契約で将来の保証はなく、しかも広島に自宅を購入したばかりだった原家。当然、美穂夫人は反対しますが、内心、本気で止めようとは思っていなかったのだとか。

「反対して反対して、それを押し切ってでも『やる』と言わせたほうが、夫としても強い覚悟ができるのでは」という狙いがあったそうで、そういう意味では原監督自身も、妻からの巧みなコミュニケーションにうまく乗せられたのかもしれません。

現在、監督夫妻はふたりで学生寮に泊まり込み、選手たちと寝食をともにしています。一見、のんびり放任主義に見える指導も、24時間・365日一緒にいて選手の状態を常に把握し、家族のような信頼関係あってこそのもの。

原監督流のやり方を部下とのコミュニケーションに取り入れようと思うなら、安易に「じゃあ、うちも言葉を大事にするぞ」などとぶちあげるのではなく、まずはきちんと部下と時間をかけて向き合い、確かな信頼関係を築くことから始めるべきなのかもしれません。

 

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