歯科医師が子どもの乳歯提供を呼びかけ 目指すは、ストロンチウムによる被曝解明
福島第一原発事故では、放射性のヨウ素やセシウムによる環境汚染や被曝が大きな問題になっている。一方、測定がはるかに難しいストロンチウムについては被曝の実態はまったく調査されていない。ストロンチウムはホールボディカウンターで検出することができず、福島県では県民健康調査の項目にも上がっていない。
そうした中で、藤野歯科医師は「原発近くに住んでいた人および離れた地域に暮らす人がともに協力してくれるタイミングは今しかない」と判断。藤野氏自身が副会長を務める東京歯科保険医協会や全国保険医団体連合会の協力も得つつ、取り組みを進めていくという。すでに、福島県浪江町から東京都内に避難してきた家庭が多く住む共同住宅や松戸市内の保育園などで説明会をスタートさせている。
1950~60年代の度重なる大気圏核実験で放出されたストロンチウムが粉ミルクや母乳などを通じて乳歯に蓄積したことは、当時の科学者の手で解明された。ストロンチウムによる健康被害は未解明な部分が多いものの、米国では母親たちによる乳歯を集める活動がその後、核実験を抑止する原動力になったといわれる。歯科医師による日本で初めての取り組みに注目したい。※問い合わせ先は、きょうどう歯科新八柱 TEL047−711−5201
(岡田広行 =東洋経済オンライン)
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