瀬戸際シャープ・奥田隆司社長を直撃 鴻海との提携、資金繰りは大丈夫か

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会社を去られる方の犠牲があって、次のシャープのつなぎがあるんだという意識を忘れずに、きっとケアをする。また、職場のモチベーションが下がる、荒れる職場も出てくる。そうならないようにケアをしていく。

 まさにトップマネジメントのメッセージが重要だと思っているので、そのことを大事にしながら、リストラをやっていきたい。

--第1四半期と人員削減を発表した8月2日の記者会見の前、従業員に対して話をされた。何を伝えたのか。

リストラをせざるをえなくなった状況に対し経営陣としてお詫びをし反省をするというのが1点目。それから、リストラを実行することは断腸の思いである。しかし、会社を存続するためにはリストラを断行せざるを得ない、存亡の危機にある。必ずや、会社を再建する。自分についてきてもらいたいというメッセージを発信した。

組合の幹部に対しても、自分は不退転の決意で再建をやりきるのでついてきてほしいと申し上げて、一定の理解は得ている。

これまでより、社長のメッセージが適切に伝わるようになってきている。

 ただ、ここまで急に会社を悪くした経営の責任については組合からも厳しく指摘されていますし、従業員からも一部声はあります。それらについては真摯に受け止めて、会社をきちっと再生しなくてはいけないと改めて認識している。

--事業や資産の売却についてシャープの意思を確認したい。まず、コピー機、情報機器は売るつもりはないか。

キャッシュフローを生み出す事業を売却する人はいない。

--白モノ家電は?

同じだ。

--亀山第一・第二への他社からの出資ないし売却は。

すでに別の会社さんが設備については出資されていますので、われわれの判断ではできない。亀山第二は成長ドライバーであるから、切り離しなんかありえません。

--市谷(東京本社ビル)は。

市谷は売却します。

--海外、中国の南京とメキシコのテレビ工場は売却方針ですね。

鴻海と打ち合わせをしている。

--堺の土地は。

売却する方向で検討している。

--太陽電池事業は。

葛城(工場)は減損した。工場売却は考えていません。事業の売却も考えていない。今のソーラーの事業環境は厳しいので……。

--売却を考えていないというか、売却できないのではないか。

考えていません。

 報道で「売却予定」というように書かれると、取引がなくなるといった実害が多いんですよ。私はあの(事業売却が報じられた)後ね、取引先にお詫びかたがた「そんなことはない」と訪問している。そのたびに本来しなくてもいい仕事が増える。

--保有株式の売却は。

事業に直接関係ないものはどんどんやります。とにかく、株式については、都度、売却方針に基づいてやっていきます。

--提携されている会社の株でも売却しますか。

事業に関係なかったら売却も考えるということです。

(聞き手:前野裕香、山田雄大 撮影:山本仁志 =東洋経済オンライン)

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