ドコモは「攻殻機動隊の未来」を実現できるか

ベンチャー投資のキーマンが語った

――かなり具体的に話を進めるのですね。

これが基本的な考え方です。もう一つの投資方針は「事業オプションの拡大」です。グループの将来の成長の種になりそうなものを、ドコモ・ベンチャーズ独自の仮説に基づいて探します。

5年後の日本の社会や市場、規制緩和、テクノロジーの進化の方向感を予想して、どういう市場が大きくなっているか、どういうところが面白そうかなどの仮説に基づいて、投資先を探します。

「将来このビジネスが花開いたとき、NTTグループは潜在的なパートナーになる。なぜならこんなアセットやユーザーを持っているから」というのがセールストークになります。この場合は、投資先がNTTグループのポテンシャルをどう見てくれているかにかかってきます。

――そうした活動はドコモグループ内に限らず、NTTグループ内で行っているのですか。

ドコモ・ベンチャーズはドコモの100%子会社ですが、NTT東日本・西日本・データ・コミュニケーションズなど、グループ各社とコミュニケーションを密にしています。

NTTはオープンイノベーションに

――各社との共通理解がないと、円滑に進まないのではないでしょうか。

そこはもう「努力に勝るものなし」ですよ。誰かが「やれ」と言ったからって、24万人のグループ社員がいっせいに同じ方向を向くわけではありません。ひとつひとつ、きちんとコミュケーションをし、CVCの活動を理解していただくしかありません。

少し前から「NIH症候群」というものが話題になり始めています。「Not Invented Here症候群」です。成功体験を持つ大手事業会社は自社開発にこだわりを持ちすぎ、イノベーションが生まれなくなるジレンマに陥るというものです。

それを打開する大きな方向感として「オープンイノベーション」という発想が出てきました。外部にいいものがあれば持ってくる、外の人たちと一緒に新しいものを作るという発想です。NIHとオープンイノベーションは対極にあります。NTTグループの考え方も、「オープンイノベーションは大事」という風に変わってきています。

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