NECがトップ交代、託された重いバトン 就任6年の節目で遠藤社長は会長へ

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グローバル展開をさらに進めることが新野新社長(写真右)の課題となる

「やり残した感はあるが、企業は継続していくことが最も重要だ。それをトップ自らが示したい」――。遠藤信博社長は終始、晴れやかな表情を見せていた。

暮れも押し迫る12月25日。NECがトップ人事を発表した。2016年4月1日に、新野隆(にいの・たかし)副社長兼CSO兼CIOが代表権を持ったまま社長兼CEOに就任する。遠藤社長は代表権を持ったまま会長に、もともと代表権のない矢野薫会長(前社長)は会長職を退任し、役職のない取締役になる。

わずか1歳の「若返り」に

遠藤現社長は1953年11月生まれの62歳で、東京工業大学大学院理工学研究科の博士課程を修了し、NEC入社は1981年4月。新野新社長は1954年9月生まれの61歳で、京都大学工学部を卒業し入社したのは1977年4月だ。矢野氏から遠藤氏へのバトンタッチでは10歳若返ったが、今回のトップ人事では、年齢的にはわずか1歳の若返り、社歴的には時計の針を4年戻すことになる。

新野副社長は「次期社長はもっと若い人だと思っていた」と話した。

25日に開かれた会見で、遠藤社長は「来春発表予定の中期経営計画の策定が1月にセカンドステージに入る。あと3カ月でまとめる際に、誰が実行するのかを示すことが絶対に必要だ。そこで12月が絶好のタイミングと判断した」と語った。

遠藤社長が新野副社長に「指名委員会に君を次期社長に推薦するよ」と伝えたのは「数カ月前」(新野副社長)。そのときは「もっと若い人かなと思っていたので、えーっと思った」という。また、数日前に遠藤社長から「指名委員会で君に決まったよ」と言われたときは、「重責に身の引き締まる思いをした」と語った。

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