今年こそ英語を本当に身に付けるための心得 TOEICの得点は実際の場面で役に立たない
今や出世ツールの1つとなったTOEICスコア。昇進の条件に加える企業は増えており、ビジネスパーソンにとって英語力は切っても切れない存在になっている。「全社的な目標としてTOEICスコアを導入し、達成できない管理職を降格にする会社もある」と、英語学習などを手掛けるトライオンの三木雄信社長は指摘する。
新TOEICで抑えるべき変更点
給与に直結するならば、まさに死活問題だ。スコアアップに向けて、さまざまな“裏技”がちまたには出回っている。
一方、今年5月末から、TOEICは10年ぶりに内容を刷新する。TOEICテストを実施する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の山下雄士常務理事は、「今の形式になじんでいる人が新形式を見ると、一瞬戸惑うかもしれない。小手先のテクニックでは高得点が取れなくなる」と明かす。
新TOEICの基本的な構成は従来と変わらない。ただし教科書的な英語表現が減る一方、実際の会話で使われるフランクな表現が新たに加わる。リスニング問題の場合、2人で交互にやり取りされていた会話が、3人でランダムな形に変更される。会話と視覚情報(地図やグラフ)を関連づけて回答する問題なども導入され、最初は戸惑う人が多数出てくることが予想される。
リーディングの穴埋め問題では、単語や述語だけでなく一文まるごと埋める設問も加わる。さらにチャットやメールなど、日常生活でよく使われる文章も出題されることになりそうだ。TOEIC受験力UPトレーナーのヒロ前田氏は、「文書全体のストーリーを把握している人の方が問題を解きやすくなる。口語表現についても勉強した方がよい」と話す。新形式に慣れるまでは、一時的にスコアが下がってしまう人も出てくるだろう。
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