明治、乳酸菌研究から生まれる新商品の数々 ヨーグルトに新たな価値を次々と追加

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パッケージには、何に役立つ乳酸菌か記載されている

それは、商品のパッケージを見ると分かる。同じ乳酸菌でも、どんな乳酸菌の商品なのかが一目瞭然だ。

たとえばLG21は「リスクと戦う乳酸菌」と銘打っている。またR-1は「強さひきだす乳酸菌」、PA-3は「プリン体と戦う乳酸菌」と書かれてある。多くの乳酸菌の中から、消費者が気にする部分の健康に訴えかける戦略が垣間見える。LG21のリスクとは健康へのリスクから守るための乳酸菌、R-1は特に健康意識が高くて仕事や受験などでがんばる人に、PA-3はプリン体など日頃の体調管理に、というわけだ。

消費者は40~50歳代が中心

消費者もおおよそ40から50歳の男性が相対的に多いが、R-1は女性消費者も多い。PA-3は40歳代からの男性消費者から支持を受ける。ただ、R-1などは、子どもと一緒に食べたり飲んだりするために購入する女性も少なくはないそうだ。「消費者の日ごろの食生活に、新たな価値をつくることができた」と菊地氏は言う。

販売チャネルはスーパーなど量販店が中心。最近のヒット商品はコンビニから出ることが少なくはないが、コンビニは店頭商品の入れ替えや回転が速い一方で、スーパーだとまとめ買いや店舗での展開がしやすいという点が主な理由だ。流通側も長らくヨーグルトを販売してきた明治への信頼もあり、店頭展開などもしやすいといった経緯もあるようだ。

ヨーグルト市場は、2011年に3000億円規模だったが、2015年は3800億円へと右肩上がりで拡大中。今春に投入された明治商品のPA-3も好調で、同社は10月に79億円を投じて、3ブランドのドリンクタイプの生産能力を増強した。同時に、R-1ではドリンクタイプでアセロア&ブルベリー味のものや、食べるタイプで砂糖ゼロのものを投入するなど、ラインナップを拡充している。明治のプロバイオティクス事業の拡大は当面続きそうだ。

 

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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