円高論は誤り、来年は1ドル135円に向かう

2016年は、さらに円安が進む

2015年12月16日、FRBは9年半ぶりの利上げに踏み切った(写真はニューヨーク証券取引所内のモニターで流れるニュースに見入る人々:AP/アフロ)

2014年末時点で筆者が打ち出した2015年の為替見通しは「意外に緩やかな円安で1ドル=125円へ」だった。2014年10月末の日本銀行による追加緩和策発表で、投機的な円ショートが急激に膨らんだ状態のまま、2015年がスタートすると見込まれた。すると、投機によるドル円の押し上げ部分がいつ崩れるかわからない。あるいは、崩れなくとも、一種の前借り分を返しながら進む円安なので、ファンダメンタルズが示すよりも進みが遅い、と考えた。

2016年はどうか。意外に思われるかもしれないが、2015年に比べ、よほど円安の見通しが立てやすいのだ。

海外勢がすでに日銀の追加緩和を期待しておらず、投機的な円ショートポジションは市場にほとんど残っていない。いわば、「地に足の着いた」状態にあるわけで、先行きの予想に際しては、米国金利と日本の円需給という2つのファンダメンタルズをきちんと評価すればいいということになる。

FOMCメンバーの年4回という想定を重視すべき

まず、米国の利上げシナリオについては、FOMC(米国連邦公開市場委員会)が3カ月ごとに公表している見通しの中で、多くのメンバーが「年4回」の利上げを想定していることを重視すべきだろう。前提となっているインフレ予想は民間予想と大差なく、3カ月に一度ペースでの利上げが基本シナリオになっている。

イエレン議長は再三「緩やか」を強調するが、あくまでグリーンスパン議長時代の「年8回」と比べた場合の評価に過ぎない。一方、市場は現在、年2回ペースの利上げしか織り込んでいない。景気指標の堅調が続き、市場が年4回というFOMCの筋書きを受け入れていく過程で、米金利は大幅に上昇する公算が大きい。早ければ3月にも1ドル=130円に到達する可能性がある。

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