事業統合は日常茶飯事 これからが正念場だ 日立製作所社長・中西宏明

拡大
縮小

 

規模を追うと根が腐る 捨てることもつねに必要

そのためには、まず利益率が大事だ。なぜかというと、M&Aの決断もポケットにおカネが入っていないとできない。ある事業をあきらめようと思ったときも、必ずリストラ費用がかかる。つまり、元手がないと何もできない。それから、収益性を上げるには、その業界での世界的なポジションが重要になる。収益性をどう上げるか、業界の中のポジションをどう作っていくかという問題意識を、一つひとつの事業に対して植え付けなくてはいけない。今はそういう段階です。

 

 

──これからの売り上げ規模については、どう考えていますか。

10兆円規模の企業が伸び続けていくことはない。これだけの事業規模があると、必ず根っこが腐る事業が出てくる。つねに捨てていかないとダメだ。だから、10の売上高が11や12になることはあっても、それを20まで持っていくことは考えていない。一つひとつの事業が強くて、グローバルにきちんとしたポジションを作っていくことが大切だ。

──中西社長が描く最終目標と現状にはかなりギャップがあります。

ですから、そのギャップを埋めようと、日立スマート・トランスフォーメーション・プロジェクト(スマトラ)という全社活動を進めている。スマトラは利益率を上げる活動のように見えるが、実は原価低減じゃない。トランスフォーメーション。変えなくちゃけない。

 

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT