エディオンも株式取得 ベスト電器争奪で火花
業界7位の家電量販店に対し、ヤマダ、ビックに続きエディオンも株式を取得。ベストの意中の相手は?(『週刊東洋経済』1月19日号より)
老舗家電量販店のベスト電器をめぐる争奪戦が過熱している。8日、業界2位のエディオンがベスト電器株を買い増していることが明らかになった。株式保有比率は3%程度とみられ、業務提携を視野に入れている。
昨秋には業界首位のヤマダ電機がベスト株7・7%を取得し提携を打診。同時期にベストは業界4位のビックカメラと資本・業務提携を結んだ。そして今回のエディオンと、まさに“引く手あまた”だ。
エディオンの最終的な狙いは、ベストを傘下に収めることによる売り上げ規模の拡大だろう。家電量販店は規模が仕入れコスト削減に直結する。エディオンは業界2位といえども、2007年3月期売上高が約7400億円とヤマダの半分程度しかない。売上高3000億円超のベストが加われば、一気にヤマダに太刀打ちできる規模になる。
だが、ベストを振り向かせるのは容易ではなさそうだ。実はエディオンとベストは02年に業務・資本提携で合意したが、考え方の違いからわずか半年で袂を分かった。昨年、ベストが提携の相手にビックを選んだのも「意見が合わないエディオンや格下と見ているケーズ(ホールディングス)と組むのを嫌がったため」(業界関係者)と言われる。
エディオンの動きに対し、ヤマダは静観する模様。となると、エディオンとも提携関係にあるビックの出方が気になるが「ウチはまったく関係ないし動くつもりもない」(同社幹部)。熾烈な陣取り合戦は、にらみ合いが続きそうだ。
(書き手:中島順一郎)
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