【キーマンズ・インタビュー】「中途採用募集におけるCookセールスアカデミー」の意図と成果--矢込和彦・Cook Japan代表取締役に聞く
--これまでに、こんなに手間とコストと時間をかける中途採用を聞いたことがありません。海外ではこういう採用手法があるのでしょうか? Cookセールスアカデミーを実施した理由を教えてください。
海外でもCookセールスアカデミーのような採用手法は存在しない。斬新だから日本HRチャレンジ大賞の奨励賞に選ばれたのだと思う。
Cookセールスアカデミーの実施理由だが、急速な事業拡大に伴い、営業職を中心に多くの人材採用を早急に進める必要があったからだ。Cook Japanの売上高は前年末から2011年末にかけて29%、2012年には39%の伸びを見込んでおり、来年以降も二桁成長を予測している。
しかし医療機器業界の営業は専門知識を必要とし、営業経験者の数は限られ、中途採用で充足するには限界がある。Cook Japanは継続的に中途採用しているが、前に断った人が、応募してくることがあるくらい人材は少ない。
もうひとつは年齢だ。医療機器業界の営業経験者となると、年齢が30代、40代中心になってしまう。企業の継続的な成長には重層的な年齢構成が必要だが、医療機器業界は専門性が高いので、経験のない若者は敬遠して応募しない。そこでCookセールスアカデミーという手法を考えた。
業界未経験の第二新卒を対象とすることで、20代の人材を募集した。しかし、業界未経験なので、共に成長できるかどうかを見極める必要がある。それが8 週間に渡る座学と実際の業務に則したトレーニングだ。応募者の適性、意欲、性格などを見極めることができる。
応募者にとっても魅力的なプログラムだと思う。医療機器業界の敷居は高いが、Cookセールスアカデミーなら、白紙から十分なトレーニングを受けることができる。