スペイン、政権発足が遅れ2カ月後に再選挙も 国民党の議席大幅減、連立協議は難航
20日に行われたスペインの総選挙(下院の定数が350、99.1%開票時の速報結果)は、中道右派の現与党 「国民党(PP)」が122議席(票率28.7%)で第1党の座を死守したものの、2011年の前回総選挙(186議席、同44.6%)から大幅に議席を失った。
国民党と91議席(同22.0%)で第2党となった中道左派の前与党「社会労働党(PSOE)」との大連立はスペインの政治史上で前例がないばかりか、世論を無視して守旧派勢力が手を結んだと受け止められ、 今回の選挙で大躍進した新興2政党へのさらなる支持拡大につながる恐れがあり、実現の可能性は低い。
従来、国民党の有力な連立相手と目されてきた改革派のリベラル政党「市民(C’sまたはCiudadanos)」の獲得議席が事前の世論調査と比べて伸び悩み(60議席程度の獲得予想に対して実績は40議席)、国民党と「市民」の合計では過半数(176議席以上)に届かない。
左派が躍進、右派左派が拮抗
国民党が政権を発足するためには、ラホイ首相の退陣や構造改革の強化を求める「市民」の協力に加えて、独立の動きを強めるカタルーニャの右派系地域政党「民主主義と自由(DL)」(議席数8)の協力が必要で、自治拡大や独立の是非を問う住民投票の実施を求められる可能性がある。
国民党が単独もしくは「市民」と協力して、非多数派政権の樹立を目指す可能性もあるが、その場合は左派勢力との議席かが拮抗しており(右派系は177、左派系が173)、議会運営は早晩行きづまる恐れが出てくる。
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