フランス地方選、「極右全敗」でも残る不安 2017年大統領選へ向けて極右は勢力拡大

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フランス地方選挙の第2回投票では社会党と共和党の共闘の前に敗れたものの、2017年大統領選へ向け存在感を高めている国民戦線のマリーヌ・ルペン党首(写真:AP/アフロ)

極右政党・国民戦線(FN)の躍進が不安視されたフランスの地域圏(複数の県を束ねた広域行政区分、2016年1月1日より22地域圏から13地域圏に改変される)議会選挙は、12月13日に第2回投票が行われ、全13の地域圏で国民戦線が第1党となる事態が回避された。

国民戦線は7日の第1回投票で6つの地域圏で最多票を獲得。サルコジ前大統領が率いる中道右派の共和党(LR)が4つの地域圏、オランド大統領が率いる中道左派の社会党(PS)は2つの地域圏で最多票を獲得した。全体の獲得票率も国民戦線が28%で最多票を獲得し(前回選挙の11%から躍進)、共和党の27%、社会党の23%を引き離していた。

社会党は共和党と苦渋の共闘

第1回投票の結果を受け、フランス国内では国民戦線が第2回投票でも2~3の地域圏を制する可能性が取り沙汰されていた。同党の躍進を受け、オランド大統領は「共和国の価値を守るため、全ての政治家が立ち上がらなければならない」と発言、バルス首相も「国民戦線の勝利を阻止するため、あらゆる手を尽くさなければならない」と危機感を露にした。

社会党は国民戦線がリードする2つの地域圏において、第2回投票での自党候補者の擁立を取り止めた。反国民戦線票をライバルの共和党に集中させ、国民戦線の勝利を阻止する苦渋の決断をした訳だ。地域圏議会選挙は2回投票制の比例代表方式で行われ、第1回投票で過半数を獲得する政党が現れない場合、1回目で10%以上の票を獲得した政党が第2回投票に進出し、その際に候補者の擁立を取り止めることが出来る。

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