「理想の就活時期」って結局は一体いつなのよ 学生が赤裸々な本音語る、ぶっちゃけ座談会

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男子学生B(早稲田大学文化構想学部3年):僕は、まだ何もしていないです。最近、学園祭も終了してサークルも引退しそろそろかなという感じです。6月解禁は「そうなんだ」という感じです。受験みたいに時期がはっきりしていないことに戸惑っています。

女子学生E(東京大学法学部3年):今年よりも早く内定が出るので、自由な時間が増えるのかなと思います。周りは3年夏からインターンシップなどガツガツと動いています。東大だと特に経済学部ですね。情報戦だなあと思います。

常見:理想の就活時期っていつなんでしょうかね? 皆さん、私がここにいないと思って、本音を言ってください。

期間は長期化したが、その分考えた

女子学生A:いろいろ言いましたけど、今年の日程で不満があるかというとそういうわけではありません。長期化した分、よく考えたし、出会いもありました。一方で、卒論に取り組む時間が減ったと思います。卒論との両立が無理だったんじゃないかと。以前のような、12月広報解禁、4月選考解禁、5月頃に終了だといいですね。あとは日程の透明化です。つねにインターンシップがあったし、企業からの連絡がいつ来るか不安だったので。

女子学生E:一昨年の12月開始、4月選考解禁がいちばんよかったのではと思います。情報戦になっているのが、ピリピリしていて、いやです。

女子学生C私も今年のスケジュールで不満ありません。ただ、理想を言うなら冬休み、春休みを活用して広報活動をしてその後、選考というように休みの時期にやってもらえると、就活に集中できます。入院したのですが、就活時期がバラけていて助かりました。留学していても就活しやすかったりして、就活時期が多様化しているのは、いろいろな人に対応できてよかったと思います。

あと、インターンシップについては「これは青田買いなのか?」と就活生が疑問をもつようなものよりは、内定直結しているものをインターンとして打ち出してもらえるほうが、私達も無駄に時間をとられなくて済むと思いました。

男子学生A:告知と解禁については守られないと思うので、そこを分けないという考え方はあると思います。就活に取り組む年次は、3年の方がいいと思いました。金銭的にも大学4年で卒業しないといけないのです。

もし決まらなかった時のセーフティーネットを考える上でも3年生でやったほうがいいと思います。3年生は中だるみする時期なので、就活がスパイスになっているというのもあると思います。研究者になりたい人は、3年で決意すると研究に学部時代の最後の2年に集中できますし。改善してほしいことは、スーツの件ですね。自由な服装でやりたいです。

女子学生B:理想を言うなら卒業後就活です。ただ、おカネも不安だし、親に対して肩身が狭い。4年になる前、または4年の4月には就職先が決まっていてほしいですね。卒論の兼ね合いの問題があり、集中できないです。大学生の夏休みにどこにも行けないですし。1、2年の頃から大人と会う機会を作りたいと思いました。いろいろな働き方をしている人に会う機会を作ってほしいです。

男子学生C(慶應義塾大学3年):4月に広報活動開始、7月に採用解禁がいいのではと思います。3年3月は3年でもなく4年でもない感じですね。4年からがいいかなと。採用解禁まで3カ月は空けてほしいです。

男子学生B:今年の4月開始、8月解禁のままがいいです。12月は早い。3年は早いです。学習をしたいですし。やる時期は就活に集中したい。受験しか経験していないので、就活は時期がきっちりしていない感じがなく、一斉にスタートしていく形のほうが動きやすいなと思います。

常見:本日はありがとうございました!

2016年度就活戦線の混乱などはすでに私の記事でも何度もお伝えしてきたが、学生の生の声は実に切実であり、迫力があった。理想の就活時期は、在学中に就活をするという日本の慣行上、悩ましい問題である。
ただ、卒業後就活というのは理想のようで、学生の経済事情や、手に職をつけ専門家として社会に出るというわけではない現状から考えると現実的ではないだろう。今までのスケジュールを再評価する声が印象的だった。今後も就活時期見直しは続くだろう。言ってみれば「タテマエの暴走」とも言える見直しだったと思う。このような生の声、事実は記録していかないといけないと思ったわけだ。
年内の掲載はこれで終了。今年も1年、ご愛読ありがとうございました!

 

常見 陽平 千葉商科大学 准教授、働き方評論家

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つねみ ようへい / Yohei Tsunemi

1974年生まれ。北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。同大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。リクルート入社。バンダイ、人材コンサルティング会社を経てフリーランス活動をした後、2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師に就任。2020年4月より現職。専攻は労働社会学。大学生の就職活動、労使関係、労働問題を中心に、執筆・講演など幅広く活動中。『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など著書多数。

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