ホンダの定年延長、「割を食う」のは誰なのか 総人件費抑制や成果主義拡大の意味

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そのような技術開発に集中できる環境こそが、高い環境技術を持ったCVCCエンジンの開発、F1グランプリにおけるアイルトン・セナ選手とともに得た輝かしい勝利、ASIMOやホンダジェットの開発など、数々の偉業につながった面はある。もちろん、成果主義は完全に排除されるべきものではないが、地道な技術開発が必要な製造業においては、その弊害も考慮しておかねばなるまい。

若手社員が「割を食う」

とどのつまり、定年延長にしても、それを導入するために進める成果主義の拡大や賃金諸制度の見直しにしても、1990年前後のバブル期に大量入社した「バブル世代」をどう処遇していくかに対する答えの一つでもあろうる。バブル世代が60歳前後に差し掛かる2020年過ぎまで再雇用制度を続けていくと、少子化の影響も相まって一時的にでも人材不足や技能伝承の断絶などが深刻化するかもしれず、手を打っておかなければならないのだろう。

ただ、バブル世代よりも若い従業員からすると、目先は上の世代よりも賃金が下がるインパクトが大きい可能性もあり、若く十分な経験や実力も培っていない段階から、厳しい競争にさらされる場面も想像される。

これは象徴的な例でもあり、多かれ少なかれ日本企業の多くはホンダと同じような構図にある。結局のところ、相対的に「割を食う」のは就職氷河期以降の若い世代ということになるのかもしれない。

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