【産業天気図・百貨店】衣料品不振が続き苦戦、07年度後半、08年度とも曇りが続く

百貨店業界は、2007年度後半、08年度も通期で「曇り」が続きそうだ。
 07年度上期は、春夏の天候不順、7月の台風、9月の残暑と悪条件が重なり、好採算の衣料品の動きが悪く、百貨店も軒並み業績が芳しくなかった。11月以降は寒さも戻り、回復傾向にあるとはいえ、そもそも業態を超えた競合が激化しているため、全般的な伸び悩みは続くだろう。
 今年9月の大丸と松坂屋ホールディングス(共同持ち株会社はJ.フロントリテイリング<3086>)に加えて、08年4月には三越<2779>と伊勢丹<8238>が経営統合(共同持ち株会社は三越伊勢丹ホールディングス)するなど、業界再編が続いている。いずれも、営業利益率4%台の勝ち組百貨店(大丸、伊勢丹)が、同1~2%台の業績低迷の百貨店(松坂屋、三越)をどこまで引き上げられるかの勝負である。
 J.フロントでは、大丸が持つローコスト運営の手法を「スピード」最優先で松坂屋に移植中だが、すでに効果は発現しつつある。ただ、3年後の営業利益600億円目標(今期見通しは約420億円)に向けては、コスト削減だけでなく売り上げ拡大も必須となろう。
 伊勢丹と三越は、統合6年目の2014年3月期営業利益750億円を目標に掲げる。その内訳は、伊勢丹450億円で三越が300億円。伊勢丹が今期会社予想の330億円から120億円の上乗せであるのに対し、三越は今期会社予想120億円から180億円も上乗せしなければならない。当然、三越が伊勢丹流の仕事のやり方を取り入れて、収益力が高められるかどうかにかかってくるだろう。
 独自路線を貫く高島屋<8233>や、セブン&アイホールディングス<3382>傘下のミレニアムリテイリングも含め、百貨店大手各社は市場縮小の一途をたどる中、ローコストの運営手法を追求しながら、いかに他店とは異なる「この店ならでは」の魅力的な売り場を作るかが重要課題となっている。
【堀越 千代記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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