規制強化は金融情報の新たなニーズを生む--ブルームバーグCEO ダニエル・ドクトロフ

当社は資本市場の高度化やグローバル化というプロセスの中で成長を遂げてきた。最近では中国でジャンクボンド(投機的格付け債)が解禁され、韓国ではヘッジファンドが認可された。これらの動きはいずれも高度な情報へのニーズを高めるに違いない。そのような情報を提供することが、当社のサービスの付加価値だと考えている。

──中東の投資家も無視できない存在ですね。

確かに、中東でも情報へのニーズが高まっている。サウジアラビアではアルワリード王子と戦略的提携で合意し、ブルームバーグテレビのアラビア語放送を行うことを決めた。

── 一方、日本ではビジネスニュースなどに対するニーズが低下しているように思えます。

日本でのビジネスは安定している。大きな伸びを示しているわけではないが、縮小もしていない。

日本の投資家は厳しい局面に置かれているが、低金利の常態化を受けて高いリターンを狙う動きが強まっている。多くの日本人は高リターンを享受しようと、日本以外(の商品)に投資先を求め出した。グローバル企業である当社にとっては、これは大きなビジネスチャンスだ。

──フランスのオランド大統領が選挙戦で金融取引税導入を公約に掲げるなど、欧州中心に金融資本主義を見直そうとの機運が出ています。

金融取引税がフランスで導入されたからといって、それが世界全体に影響を及ぼすことはないだろう。フランスでのビジネスチャンスは少なくなるかもしれないが、それに代わって他国でのチャンスが増えるだけのこと。当社のようなグローバル企業への打撃はさほど大きくない。

この数年間、規制強化の流れが強まっているのは事実。それによって、関連業界の収益や当社のビジネスは影響を受けるだろう。一方で、規制や監督が強化されれば、それに付随する情報へのニーズが新たに生み出されるはずだ。そうした情報を提供できるよう努力している。

(聞き手:松崎泰弘 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2012年7月21日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

Daniel L Doctoroff
大手投資会社のマネージングパートナーとして企業買収などに携わった後、米ニューヨーク副市長として経済開発と再建を担当。同市で最も大規模な経済復興策を指揮した。2008年1月に米ブルームバーグに社長として入社。11年8月から現職。
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