規制強化は金融情報の新たなニーズを生む--ブルームバーグCEO ダニエル・ドクトロフ
──顧客側の値下げ要求が厳しくなっているのではないですか。
料金の引き下げをしないのが当社の姿勢。その方針は1981年の会社設立時から変わっていない。
日本へは83年から進出した。創設者のマイケル・ブルームバーグ(現米ニューヨーク市長)は当時、端末の利用料金を1カ月当たり995ドルに設定。金額は相手が誰でも同じであり、値引きはしないと決めた。
現在の価格は同1655ドル。値上げは2年ごとで、インフレ率を反映させている。年換算すれば、わずか2%の値上げにすぎない
当社の商品はニュース、データ、分析ツール、トレーディングツールなど多くのサービスが詰まった統合的なパッケージだ。値引きする代わりに、プロダクトやサービスの付加価値を高めることに注力している。これまでも機能強化に多くの投資を振り向けてきた。83年時点では端末にごくわずかな機能しか備わっていなかったが、30年後の今では3万7000の機能が搭載されている。
サウジの王子と戦略提携 中国・トルコでBW拡販
──09年の米『ビジネスウィーク(BW)』誌買収の効果は。
発行部数は全世界で470万部。ビジネス界の関係者だけではなく、各国の政府高官などニュースにさまざまな影響を与える人たちが読んでいる雑誌だ。買収に伴うコストは幸運にも比較的、少なくて済んだ。今や、ブルームバーグに多くの恩恵をもたらしてくれている。
現在は国際的な拡大路線を継続中だ。パートナーシップを通じて中国やトルコなどにも進出している。
──新興国では投資家層に厚みが増してきた。事業全体にメリットが大きいのでは。
おそらく今後の成長の大きな源泉になるだろう。収入増のかなりの部分は新興国からもたらされるとみている。