【産業天気図・空運業】燃油高の影響懸念が浮上。リストラ進むが先行き不透明で08年度も「曇り」に

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航空業界は燃油高を背景に、業績的には一進一退の状況が続きそうだ。各社とも不採算路線の見直しや人件費削減、燃油サーチャージ(航空運賃に上乗せする燃油特別付加運賃)、先物予約で、燃料費増を吸収する計画だが、先行き不透明感は大きい。天気見通しは、2007年度後半は引き続き「曇り」、08年度も燃油高の影響が懸念されることから、前回(9月時点)予想の「晴れ」から「曇り」に変更する。
 航空機燃料価格の代表的な指標であるシンガポールケロシンは、足元で1バレル当たり100ドル以上の高水準で推移している。06年は平均80ドルで推移したが、07年は85ドルと高騰。さらに年末にかけて上昇傾向にある。
 大手航空2社では、日本航空<9205>が下期前提を1バレル100ドルに設定。07年度通期の燃油費用として、前期比92億円増で従来予想比50億円増の4300億円に修正した。全日本空輸<9202>は下期前提が1バレル83ドル。前期比409億円増の2770億円と、こちらは従来予想を据え置いた。両社とも昨年までに先物予約するなどでヘッジ状況は7割超と高いが、予想を超える燃油高が続けば、業績が下振れする可能性が高い。
 航空需要は07年度後半、08年度ともに、低迷が続く国内線を好調な国際線で補完する構図が一層鮮明になりそうだ。国際線は燃油サーチャージの上昇が続くものの、年末年始の海外出国予定者数は過去3番目を記録。ビジネス需要も北米・中国などが安定して高い。一方、足元の国内線は需要全体が低迷しており、前期赤字のスカイマーク<9204>が善戦しているほかは、当面各社の業績は振るわないとみられる。
 08年度は各社とも人件費削減、路線見直し、機材更新が一層進む見通しで、『会社四季報』08年新春号(08年第1集)では航空3社ともに増益の予想をしている。ただ、燃油高の影響度合いは大きくなる。ヘッジ状況はJALが20%、ANAが55%とヘッジウエイトが低くなり、燃料が高騰すれば、燃料費増は避けられない。JALは燃油サーチャージ上乗せでカバーする構えだが、ANAは一部据え置きの方針を打ち出すなど、業界の足並みは崩れている。料金競争による収益圧迫懸念もあり、「曇り」という判断に引き下げた。
 ただ、JALは優良資産であるJALカードの一部売却交渉が大詰めを迎えている。非常事態に備えた資本増強も模索中。JALの経営再建が順調に進み、機材更新やサービス向上で需要が喚起されれば、業界の空模様も変わる可能性はある。
【冨岡 耕記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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