テレ東「路線バスの旅」は海外でもガチなのか あの人気企画が台湾に進出、しかも映画化!

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映画をやると世の中がザワつく。認知度が上がったり、過去作のDVDが売れたり…。番組にもいい影響が返ってくる。他局のような大掛かりな映画化ではないけれど、小さいが堅実にビジネスをやっていく。これはテレビ東京という会社の特性にも合っている気がします。その第3弾として「ローカル路線バスの旅」を選んだということです。

――「ゴットタン」も「ローカル路線バス」のようなドキュメンタリーなのですか。

ドキュメントとバラエティを足したようなものです。主演は劇団ひとりさんですが、筋書きは一切ない。周りにいる役者さんたちにはちゃんと台本があってリハーサルもします。そこへ劇団ひとりさんをポンと放り込む。あとはアドリブです。

そうすることで、台本とはまったく違った化学反応が生まれる。彼のアドリブの適応能力が非常に高く、テレビでは人気コーナーになりました。

――テレビをそのまま映画にして、うまくいくのですか。

映画に映画然としたものを求める人のほうが絶対数では断然多い。でも、テレビで見ているものをライブビューイングのようにみんなで見たいという人もいると思います。

学生がグループで何人も連れだって来る。映画というよりもアトラクションのような感覚。これが「ゴットタン」で得た手応えです。“本番線”といわれる大作映画の間を縫って、そういう映画を上映すれば、見てくれる人がいる。映画館の新しい使い方かもしれません。

国内と同じルールを徹底した

――「ローカル路線バス」をみんなでワイワイ言いながら見たら楽しそうですね。映画版にはテレビとの違いがありますか。

制作スタッフと話をした中では、「映画だから観光地も巡ろう。行程の途中に観光地があったら、タクシーを使ってもOKにしよう」という議論もあったのですが、それをやってしまうと何か違う。基本的には同じルールでやることにしました。

一方で、より臨場感を出すため、オール4K撮影にしました。音声も5.1chのサラウンド。映画館の大きなスクリーンといい音響の中で、蛭子さんや太川さんと一緒に旅をしているような気持ちになっていただけたら、アトラクション感は出るのかなと。台湾の名所旧跡は彼らが行けなくても、インサートでフォローしてきちんと見せます。

――いつごろ映画化を決めたのですか。

内々に話していたのは今年の春くらい。最初、映画化というのは番組スタッフの中でもネガティブなところがあった。でも「こういうのは勢いですから(笑)」ということで実現しました。6月くらいから「バス旅」チームが本腰を入れて動き始めてくれました。

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