冥王星を殺したのは私です マイク・ブラウン著/梶山あゆみ訳

冥王星を殺したのは私です マイク・ブラウン著/梶山あゆみ訳

水金地火木土天海冥とは今は言わない。冥王星が惑星でないと6年前に決まったからだ。第10惑星を発見しながら第9冥王星とともに惑星と呼ぶべきでないとの主張を貫き、ついに両者を葬り去った個性的な天文学者の惑星への思いと情熱が生んだノンフィクション。惑星発見のために巨大望遠鏡と撮影写真とコンピュータを駆使し、知恵をどう働かせるかの勝負どころが軽妙詳細に語られる。

ユーモアあふれる軽い筆致のおかげで、天文知識のない読者でも天文学者の気分に近づけるだろう。先に発見した人でなく先に報告した人が発見者となる制度のために、天体発見後、極秘裏に論文にまとめ上げる苦労が生々しく語られて引き込まれる。スペインの学者にスパイ並みに情報を探られて惑星発見の名誉を奪われる一件など小説以上に面白い。幼い娘との天文を介した絆が人間味あふれる太い横糸となり、単なる科学書に終わっていないところが出色である。(純)

飛鳥新社 1680円

  

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