スズキ「ジムニー」飽きられず売れ続ける理由 発売17年の現行モデルは今でも魅力満載だ

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ジムニーは、自由にパーツを変えることができる

東京都世田谷区にある「スージースポーツ」。ジムニーのパーツ製作や販売、メンテナンスを行う専門店の秋山拓也氏は言う。「東京は地方に比べればジムニーの台数は少ないですが、昔のディーゼルエンジンを積んだSUVが都の規制で乗れなくなったので、ジムニーに乗り換えたという例はあります。

大雪や洪水など万が一を考えて選ぶ方もいます。街乗りで使う人が増えたのは、現行モデルの3代目になって2代目以前よりも快適性が高まったことが大きいですね」

秋山氏によれば、ジムニーは趣味で乗る人が多いこともあり、カスタム比率は高いとのこと。その流れを後押ししているのが、納車時に複数のカスタムパーツを装着して販売されるコンプリートカーだ。自分でパーツを選び、取り付けるには専門知識が必要だが、コンプリートカーなら専門店に「おまかせ」できるので人気が高まっている。

コンプリートカーは見るからに悪路に強そうだ。でもオフロード走行を楽しむユーザーは一部だという。釣りや登山、狩猟の足として選んでいる人もいるが、多くはアウトドアスタイルを楽しみながら街乗りに使うユーザーだ。それならノーマルでもよさそうな感じもするが、ジムニーには放っておけない魅力があると秋山氏は語る。それは「いじりやすさ」だ。

「自転車みたいな存在なんです。エンジンのスロットル制御がいまだにワイヤーだったり、サスペンションは前後ともリジッドアクスルだったり、作りがシンプルで、電子制御をほとんど使っていないので、自由にパーツを変えることができる。アルミホイールの品揃えなど、昔より増えているぐらいです」

ハスラーとジムニー

スージースポーツではハスラーのコンプリートカーやカスタムパーツも扱っているが、ジムニーとは対照的にほとんど出ないという。ハスラーのユーザーは内外装のドレスアップがメインで、多くはディーラーでメーカー純正品を選んでいくという。ジムニーとの客層の違いがうかがえる。

地方はどうか。関東近郊でジムニーを見ることが多い都市のひとつ、静岡県御殿場市にある専門店、その名も「ジムニー秘密基地」の山口孝昭氏に伺った。店名で想像できるとおり、こちらもカスタムが盛んだが、最新ジムニー事情を尋ねたところ、返ってきたのは実用車としての性能の話だった。

「御殿場は岩手県と同じぐらい雪が降ります。鉄道は30分に1本ぐらいなので、通勤は車になりますが、乗用車タイプの4WDでは、大雪のときは走れません。その点ジムニーは最低地上高がたっぷりしているし、大径タイヤでローレンジも備わっているので安心です」

ジムニーを選ぶのはやはり男性が中心。奥さんがミニバンで旦那さんがジムニーという家庭もあるそうだ。オフロード走行を楽しむ人も多いが、状況によっては奥さんもジムニーに乗るので、7割はATだという。

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