栄光ゼミナールvs.進学会の舌戦 Z会の翻意が火に油

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

 

対立する理由はそれだけではない。栄光は「進学会から強圧的な言動や要求がたびたびなされ、5月15日の発表後は一層エスカレートした」と主張。「共存共栄でお互いを尊重するという前提が崩れた。経営の根幹にかかわる部分で、埋めがたい相違点がある」(近藤社長)。

一方、進学会は、重要な資産移動については報告義務があったにもかかわらず、栄光が本社ビルを15億円で購入した事実を隠していたことなどを指摘。利益供与の件など栄光の発表内容について「法的措置を含めて検討する」ほか、近藤社長について「報酬の引き上げばかり要求する、自己保身的な人物」(平井会長)と話すなど、溝は深くなるばかりだ。

戸惑うZ会

進学会の怒りの矛先はZ会にも及ぶ。一方的に共同提案を撤回したとして、法的措置を含めて対応を検討しているという。Z会の新出勝則取締役は、撤回した理由について「そもそも進学会さんと一体だったわけではなく、栄光の経営陣の判断を尊重するという立場は変わっていない」という。「株主提案以降、われわれと進学会で協議中のことを決定事項のように栄光さんに話していた。それで合意したことは文書化しようと提案した矢先に(栄光と進学会の)対立が明らかになり、進学会さんのやり方に疑問を感じた」。

今後の動向は不透明だ。栄光は進学会との資本業務提携の解消を発表したが、進学会が株を手放したわけではないため、目の上のたんこぶは残る。進学会も年商の約6割に当たる約40億円の巨費を株式取得に投じた以上、簡単に引き下がれないだろう。泥沼の争いは当面続きそうだ。

栄光ホールディングスの業績予想、会社概要はこちら

[+画面クリックで詳細チャートを表示]


進学会の業績予想、会社概要はこちら

 

[+画面クリックで詳細チャートを表示]


(伊藤崇浩 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2012年7月7日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事