まずはリアルな「縮原発」から「新エネルギー庁」の創設を

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この案を議論したのが経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会。その基本的方向性は、「再生可能エネルギーの開発・利用を最大限加速化」「原子力発電への依存度をできる限り低減」などだった。福島事故以前の原発比率が26%(10年度)だったため、20%台の目標では国民から原発依存度の低減への理解は得られない。ある脱原発派の委員も「15%は物足りないが、縮原発への道筋はできた」と評価する。

しかし、真の問題は「15%のその後」である。同委員会委員で幸せ経済社会研究所所長の枝廣淳子氏は「15%は玉虫色」と指摘する。すなわち、30年時点で15%になったとして、その後「ゼロへ向かい段階的に減っていくのか」「その程度を維持するのか」「その後は30年に考え直すのか」という方向性があいまいなのだ。

野田首相は「国民的議論を経て、8月に中長期的なエネルギー政策を決める」と述べた。新エネルギー計画では、30年の電源比率だけではなく、30年以降の原発を含めた電力政策の方向性もしっかり示すべきだ。

新たに原子力安全行政の一元化を担う原子力規制委員会が9月に発足する。しかし、具体的な安全基準の策定は来年夏になるとみられるほか、政府が決めた「40年廃炉」にも見直しの余地を残すなど、しばらく安全基準の空白期間が続く。今夏の関西での電力事情に鑑みれば、大飯再稼働はやむをえない決断だったのかもしれないが、すでに次の再稼働候補の名が挙がりつつある。なし崩し的な「原発復活」では、政府や電力行政への不信感は高まるばかりだ。

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