――本作主人公の女の子は、母親の言いつけどおり、良い学校に入るために、友だちも作らず、スケジュールもビッシリ管理されて勉強漬けの日々を送っています。
面白いなと思ったのは、どこの国に行っても「これはまるで自分の国の親のようだ」と言われること。イタリアに行けば「これはイタリアの親のようだ」と言われるし、中国に行けば「これはまるで中国の親みたいだ」と言われた。それはアメリカでも、日本でもどこでもそう。みんなそう言っていた。自分としてはかなり極端な親を作り上げたつもりだったんだけど、皆さんに感じるところがあったようで。もちろんお母さんだって愛情からああいうことをしているわけだけども。
――監督としては、お子さんにどう接していますか?
僕としてはやはり子どもたちに自由を与えたいし、楽しんでほしい。探求だってしてほしい。自分自身がそういう育ち方をしたんで、芸術面でも伸ばしてあげたい。だからあまり制約をかけないほうがいいし、子どもは子どもらしくしてあげたいと思っている。
でも、そうでありたいと心がけてはいても、実際には心配をしすぎてしまう。自分の子どもは18歳と14歳のティーンエージャーだから、とても難しい年頃になっている。本当に子育てはチャレンジの連続で大変だ。できるだけ口を閉じるようにしようとしている。「何でそんなことをするんだ!」と言いそうになるのを、ちょっと冷静になってから口にチャックをするようにしている。それは本当に楽じゃないことだ(笑)。
非常に特別な、家族の映画になった
――この作品で、星の王子さまの声は息子のライリー君が担当しています。家族の映画となったのでは?
そう。これは非常に特別な映画となった。女の子の役は、僕の娘がインスピレーションの源だったし、仮声は彼女に録音してもらってから作業をした。息子も仮声として録音したんだけど、最終的には彼の声をそのまま使った。そして、もう25年も前の話だが、最初に僕に原作を紹介してくれたのは妻だった。だから僕の家族もプロジェクトの一員だったし、一緒に作り上げたという思いがある。彼らと一緒に仕事をした時間は、本当にかけがえのないものとなった。
――作品も完成したことですし、これからは家族サービスができますね。
ただ、今は家にずっといるんで、「いつから次の仕事に入るの?」と言われているよ(笑)。でもこの映画が家族の絆を深めてくれたような気がしているよ。
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