三菱ケミカルの株主総会は電力問題への対応や成長事業の戦略などに質問
三菱ケミカルホールディングスは26日、午前10時から東京都中央区のロイヤルパークホテルで定時株主総会を開催した。
2005年に現在の持ち株会社に移行してから7回目となる今回の出席株主数は930人(昨年は885人)。会社側の説明の後で7人の株主が質問に立ち、議長を務めた小林喜光社長のほか、各部門を統括する担当役員が回答した。
質問した株主からは、原発問題により不安定化する国内の電力事情に対する対応や、成長期待分野であるリチウムイオン電池材料や太陽電池などの分野に対する戦略などについての質問があった。
主な質疑応答は以下のとおり。
--国内の電力事情とその対応をどう考えているか。
(小林社長)当社は40%ぐらいがナフサベース(の製品)。現状は原油価格が下がっているが。最近だと米国でシェールガスが発掘されたり、大きなイノベーションが起きている。
日本は法人税が高いとか労働法制が厳しいなどという指摘があるが、それに加えて、とくにケミカル(化学)産業は原料と電力コストはクリティカルな問題。コモディティ(汎用品)はとくに海外でやらないといけない。日本ではヘルスケアとかエネルギー消費の少ない事業などを検討しなければならない。
--太陽電池事業についてどう考えているか。
(小林社長)有機系の太陽電池をここ1~2年で立ち上げようと思っている。シリコン系はすでに販売をしている。そこにわれわれのオリジナルの有機系の太陽電池を入れていこうと思っている。太陽光なり風力なりで電気を起こして、省エネに展開するということを全面的にやっている。太陽電池は創造事業という位置づけで5~6年前から大変なお金を投じている。
--消費者からみると太陽電池は電力料金の押し上げ要因となる。ドイツの太陽電池市場は、世界の半分を占めているが発電量に占める割合は3%に過ぎない。それにもかかわらず、最大手のQセルズが経営破たんをした。日本でも同じような事態が起こらないか。
(小林社長)(7月に始まる再生可能エネルギーによる電力の固定価格買い取り制度は、太陽光発電の買い取り価格を1キロワット時あたり)42円で買い取ることを決めた。
米国でシェールガスが見つかったが、原油はあと50年しかもたないだろう。原子力がこういう状況で、ハンディキャップのないエネルギーとして太陽は有効だ。当社はメガソーラー(大規模太陽光発電所)は意味がないのでやらないが、有機系はやる。軽さなどが武器だと考えている。
質問終了後、今回の総会で提案された「剰余金の配当」「取締役8人の選任」「監査役1人の選任」「定款一部変更」の4議案はすべて賛成多数で決議され、11時22分に閉会した。所要時間は1時間22分(昨年の所要時間は1時間45分)。一部株主が質問に対する会社側の回答に納得せず、何度も同じ質問を繰り返す場面があったが、議長の進行に会場の株主が拍手で応え、その質問はさえぎられた。全体的にはおだやかなムードの総会だった。
(武政 秀明 =東洋経済オンライン)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
連本2012.03 3,208,168 130,579 133,614 35,486
連本2013.03予 3,400,000 150,000 138,000 45,000
連本2014.03予 3,550,000 200,000 188,000 70,000
連中2011.09 1,570,197 95,686 92,885 37,504
連中2012.09予 1,630,000 50,000 43,000 10,000
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1株益¥ 1株配¥
連本2012.03 24.1 10
連本2013.03予 30.5 12
連本2014.03予 47.5 12
連中2011.09 25.4 5
連中2012.09予 6.8 6
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