コスメブランド「LUSH」が変身を遂げた内幕 うるさい若者から、思慮深い大人への成長
世界的な成長を続けるコスメブランド「ラッシュ」。彼らの成功の秘密は、3年前に行った大きなブランドの方向転換にあった。来日したブランド・コミュニケーション・ディレクターであるジャック・コンスタンティンに話を聞いた。
「ラッシュを人間に例えると、統合失調症ですね(笑)。ひとつのことを言ったかと思ったら、次の瞬間はまったく別のことを言い始める、といったふうな。パーティーに行けば大抵ひとりは、ものすごくうるさい人がいるでしょう。思わず避けたくなるような。今までのラッシュはそんな人でした」
そう笑って語るのは、ブランド・コミュニケーションを統括するジャック・コンスタンティンだ。創業者であるマーク・コンスタンティンの次男でもある彼が、ここ3年注力しているのが、そういったネガティブなイメージを払拭することなのだという。
急速なビジネスの成長の過程で見過ごされたもの
「日本を含む海外展開をするなかで、急速な成長にいつしかブランド自身がついていけなくなりました。ちょうど3年ほど前からブランドのメッセージがぶれ始めたのです。今年でブランドが誕生して20年目ですから、ちょうど人間でいうと17歳という思春期のような多感な時期です。そんな大人になろうとするタイミングで、WHO WE ARE(私たちは誰なのか)、WHAT OUR STRENGTH IS(私たちの強みはなにか)といったことを、より洗練された方法であらためてコミュニケーションしていこうと決めたのです。人によっては、店舗のイメージやバスボムから「LOUD AND SMELLY(うるさくて匂いがキツイ)」といったイメージがありました。それは、好きな人は好きだけど、嫌いな人は嫌い、といった『LOVE-HATE RELATIONSHIP』のようなものでした」