解雇に関する法律を厳しくすれば、失業者の職探しは厳しくなる--独有力コンサルティング会社幹部に聞く「ユーロ危機」
ギリシャの再選挙では緊縮財政支持の新民主主義党(ND)が勝利を収めたことで、「ギリシャのユーロ離脱の可能性はひとまず薄らいだ」との見方が金融市場に広がっている。「ユーロ危機」の見通しなどを欧州系最大のコンサルティング会社、ローランドベルガーのグローバル・エグゼクティブ・コミッティメンバーに名を連ねるベルンド・ブルンケ氏に聞いた。
--フランスに社会党政権が誕生したことで今後、独仏両国の関係が悪化することはないのでしょうか。
この数カ月、両国は密な連携を取ってきました。議論自体は進捗してきています。今後もポジティブな方向へ進むと信じています。
(メルケル独首相とオランド仏大統領の間で)「メルコランド」と言われるような関係が構築されるにはしばらく時間がかかるかもしれませんが、欧州の人々は統合が政治的かつ平和的にもメリットがあることを理解しています。さらに統合を強化させるべきだということもわかっています。
オランド大統領は選挙期間中こそ誤解を招く発言もしましたが、国家を担う責任ある地位に就いた以上、前向きに妥協点を見い出す努力をするでしょう。ドイツでは過去に左寄りの政権下で改革が進みました。労働市場、ヘルスケア、年金などさまざまな分野で改革が行われたのです。
個人的には、現在のユーロ危機をめぐる議論は(悲観論が)若干、誇張されていると見ています。2~3年前に比べると、環境はかなり改善され、問題の本質も明確になってきました。かなり前進していると思いますよ。欧州の発展に関して誰もがネガティブなことを言えば、かえって課題を克服することが難しくなってしまう。ユーロの枠組みが欧州の人たちにもたらしたポジティブな面にも目を向けるべきです。域内では5億人が自由に行き来することができます。国家間の輸出入も増加。企業には賃金の格差を活用できるといったメリットもあります。