「中国に特化してた店はしんどいと思う」…《インバウンド9割》変化続ける黒門市場で老舗マグロ店が生き残る訳
百貨店ギフトから始まった「届ける仕組み」が30年の時を経て、デジタルマーケティングと接続したのだ。
大トロは東南アジア、赤身は欧米で好まれる
店の「外」へチームで布石を打つ一方で、店頭にも別のチームができていた。
現在、魚丸の店頭客の約8割は外国人だ。黒門市場全体で「客の9割がインバウンド」と言われるなかで、日本人比率がやや高い。だが、それでも20年前とは景色がまるで違う。
このインバウンド対応を担っているのは、丸山さんの長男だ。本業は飲食店のプロデューサーで、大阪・心斎橋大丸の「エンポリオ アルマーニ カフェ」やZARAに入るカフェなどを手がけてきた人物。その経験を活かして、店前に「立食いできる」丸テーブルを配置し、外国人に分かりやすく訴えるポップや看板もデザインしている。
ちなみに、英語力は店の全員が「適当に、なんとなく」レベルだそうだが、それで十分回っているらしい。
また、興味深いのは、国によってマグロの好みが分かれることだ。
「東南アジアや中国のお客さんは大トロが好きな人が多い。韓国の人も大トロ、あとウニもね。西洋人は赤身か中トロやね。だからバランスよく売れるんですよ」
とりわけありがたいのは、養殖マグロの大トロが売れることだという。脂が強い養殖の大トロは日本人にはあまり人気がないが、東南アジア系の客がよく買うそうだ。つまり、以前なら余りがちだった部位にも買い手がついている。それは、黒門市場が様変わりした「怪我の功名」かもしれない。
ただし、2025年11月の台湾有事をめぐる首相の発言以降、中国人客は目に見えて減っている。代わりに韓国・台湾からの客が増え、市場の客層は入れ替わりつつある。



















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