「お好み焼き3000円」とインバウンド価格が批判される黒門で、《マグロ一筋90年》老舗が貫く「まっとうな商売」の信念

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「魚丸商店」三代目大将 丸山和久さん
「魚丸商店」三代目大将 丸山和久さん(写真:筆者撮影)
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大阪・黒門市場に、90年間マグロを売り続ける店がある。「魚丸商店」だ。三代目の丸山和久さんは、大学卒業と同時に自社に就職。しかし、先代である父はほとんど何も教えてくれなかったという。頼りにしたのは仲卸人と、幼い頃に食卓で出会った「中トロの記憶」だった。そこから42年、丸山さんは独自に技術を磨き、「まっとうな商売」の価値観で、変わりゆく市場に立ち続けてきた。

インバウンド急増を発端に…変わりゆく市場で

大阪市中央区、日本橋。黒門市場は江戸時代末期、寺の周辺で魚が売買されたことを起源とする商店街だ。東西、南北に伸びるアーケードは全長約580m。かつては魚に肉、青果店などが軒を連ね、活気あふれる「大阪の台所」として親しまれてきた。しかし2010年代、インバウンドが急増したことを発端に、その姿は様変わりしていく。

平日の昼間の黒門市場
平日の昼間の黒門市場(写真:筆者撮影)

取材日に筆者が市場を歩くと、目に入ってきたのは「お好み焼き1枚3000円」「ビフテキ100g 4000円」「焼タラバ蟹足1本5500円」など、目を疑ってしまう品物の数々。買って食べ歩く屋台店も多く、「市場感」はあまり感じられない。

それもそのはず、今や商店街の8~9割がインバウンド客向けの店となり、昔ながらの卸売店、小売店は全体の1〜2割、15~30店舗しか残っていないそうだ。経営者の高齢化で、後継者が「家賃収入のほうが儲かる」とテナント貸しをすることが増えたのも要因のひとつなのだとか。

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