「コミュ障」東電の伝達力は改善しているのか 東電改革のキーパーソンが語る3年間の成果
原発の必要性と重要性を説いていく
――監視委の仕事を引き受けた理由は。世間に嫌われている会社の委員になるのは、ご自身の評価にもかかわってくる話だったと思いますが。
私は英国原子力公社のトップとして長年にわたり、英国政府、そして英国民に原発の必要性と重要性を3つのポイントから説いてきた。エネルギーのセキュリティと独立性、そして気候変動という3つの問題を、原発だけが解決できると主張してきたわけだ。
原発によってエネルギ—を確保できれば輸入の必要がなくセキュリティと独立性を確保できる。また、原子力は二酸化炭素を排出することもない。
英国で長い間、この問題にかかわり、英国民のセキュリティと独立性を担保するアドバイスをしてきた経験があるからこそ、東電から(監視委員の)話がきたときは、今度は日本人を助けることができると非常に光栄に感じた。過去にビジネスで何度も訪日しているので、とても嬉しかった。
――具体的にはご自身の経験をどう生かしているのですか。
もっとも貢献できているのは、東電のコミュニケーション力の向上だろう。東電に多数いるエンジニアはすべての事実がわからない限り、世間に情報を流さない傾向があった。しかし、ネット時代に大事なのはリアルタイルな情報発信であり、すべての事実が集まるのを待ってはいられない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら