「コミュ障」東電の伝達力は改善しているのか

東電改革のキーパーソンが語る3年間の成果

バーバラ・ジャッジ(Barbara Judge)/ニューヨーク大学法科大学院を卒業後、弁護士としてキャリアをスタート。1980年に史上最年少でSEC委員に就任。サミュエル・モンタギュー社(現HSBCグループ)の執行役員などを経て、1994年に英国原子力公社の取締役に就任後、2010年までに会長を歴任。同年11月英国ビジネス大使に任命。現在は英国原子力公社名誉会長を務める(撮影:梅谷秀司)
真っ白いフリルのシャツにウエストがキュッと締まった黒いスーツ。お気に入りの服装で現れたバーバラ・ジャッジ氏はフレンドリーでありながら、何とも表現しがたい緊張感を醸し出す。それもそのはず、東京電力原子力改革監視委員会の副委員長である同氏の経歴は並み外れている。弁護士でありながら史上最年少の33歳で女性初の米証券取引委員会(SEC)委員に就任し、現在は英国原子力公社名誉会長を務める敏腕リーダーでもあるのだ。
福島第一原発事故から4年半。東電自体は2016年4月の電力全面自由化を控えてカンパニー制に移行するなど、少なからず前に進もうとはしているが、事故の「収束」の日は遠く、世間の目は厳しい。そんな東電がジャッジ氏を監視委の委員に招いたのは2012年9月。それ以来、同氏は東電の経営陣に、主に世間とのコミュニケーションの重要性に関するアドバイスをしてきたという。この3年間で成果はどれほどあがっているのか。ジャッジ氏を直撃した。

原発の必要性と重要性を説いていく

――監視委の仕事を引き受けた理由は。世間に嫌われている会社の委員になるのは、ご自身の評価にもかかわってくる話だったと思いますが。

私は英国原子力公社のトップとして長年にわたり、英国政府、そして英国民に原発の必要性と重要性を3つのポイントから説いてきた。エネルギーのセキュリティと独立性、そして気候変動という3つの問題を、原発だけが解決できると主張してきたわけだ。

原発によってエネルギ—を確保できれば輸入の必要がなくセキュリティと独立性を確保できる。また、原子力は二酸化炭素を排出することもない。

英国で長い間、この問題にかかわり、英国民のセキュリティと独立性を担保するアドバイスをしてきた経験があるからこそ、東電から(監視委員の)話がきたときは、今度は日本人を助けることができると非常に光栄に感じた。過去にビジネスで何度も訪日しているので、とても嬉しかった。

――具体的にはご自身の経験をどう生かしているのですか。

もっとも貢献できているのは、東電のコミュニケーション力の向上だろう。東電に多数いるエンジニアはすべての事実がわからない限り、世間に情報を流さない傾向があった。しかし、ネット時代に大事なのはリアルタイルな情報発信であり、すべての事実が集まるのを待ってはいられない。

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