商店街5つが連携、本郷「町おこし」の本気度 実は意外と難しい商店街・町会の連携プレー

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だが、そんなことが実行できているのは、東京でも、女性を中心に人気を集める「住みたい街ランキング」常連の街、自由が丘くらいである。自由が丘では毎年10月の3連休後半の2日間に50万人を超す来街者を集める女神まつりなるイベントが開催されるほか、独自の街の案内所を置き、冊子を発行するなど独自の振興策が行われているが、これは自由が丘の商店街が一致団結できているからだ。街のために連携、協働できる横のつながりが自由が丘を長らく人気の街にしているのである。

そうした横のつながりを意識して作られたのが文京区本郷で活動するNPO法人「街ing(まっちんぐ)本郷」である。代表理事の長谷川大氏は「町会と商店街はそれぞれに別ものだし、町会も商店街もそのエリア内でしか活動できない。地域の企業が行政と直接組めないように、街の中には水と油のように相容れない存在があります。でも、街を愛する気持ち、何とかしていきたいという気持ちはそれぞれにあるはず。そこを横につなぐ活動をしているのが私たち、街ing本郷です」と活動の意義を説明する。

この地で三代続く魚屋さんの長谷川氏が地域で長らく商売をしてきたほかの4人と一緒にNPOを立ち上げたのは5年前の2010年。それ以前に、地域に5つある商店街活性化のため、本郷商店会を結成、商店街の協働を行ってきた経験から、街に各種ある組織、団体を横につなぐ必要性を強く感じての設立だった。

当初は「長老」たちから同意を得られず

だが、自分たちで何かをやるというより、やりたい人と実施できる人をつなぐ、といった、一見見えないことを目的とするNPOは当初理解してもらえなかったという。「1年間、各団体を回り、決してこれまでの商店街、町会の活動を否定するものではないと説明しました。それでも要らないと言われ、NPOとしても一度不認証とされるなど、当初4年ほどは辛い状況でした」。

特に地域の長老と言われる人たちに不評だったのは地元の人だけではなく、この地域で活動したいという外部の人たちをも受け入れる姿勢だったのではないか。たとえば、街ing本郷では、かつて町会で行ってきた公園清掃や、夜間の火の用心の見回りなどを、東京大学を始めとする地域の学生や、社会に貢献したいという人たちに手伝ってもらっている。地域の高齢化を考えてのことだが、学生がこの地にいるのは2~3年ほどである。そんな流動的な人たちに地域を任せられるか、というのが反対の要因だったのだろう。

だが、幸いにして街ing本郷の中心には長谷川氏を始め、地域で信頼されてきた人たちが中心にいる。そのため、ゴミの収集や宅配サービスのような地道な地域のお困りごと解決から、この街にかつて住んだ文人たちの跡を巡るツアーやシンポジウムの開催、ガイドマップの作成、防災イベントなど活動は幅広く、毎週月曜日に開かれる定例会では次々に新しいアイディアが出される。

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