最後は、力強い豚骨スープでファンを魅了する「博多ラーメン 和」。店主の馬場圭佑さんは、熱量あふれるラーメンと同様に、客とのつながりを何より大切にする。
「特に印象に残っているのは『ありがとう! いつも応援しています』という言葉です」。その言葉をかけてくれたのは、150回来店で進呈する“黒豚カード”(永久トッピング無料券)を達成した常連客だった。
ある日、スタッフが慌てて馬場さんのもとに駆け寄った。「和のラーメンのTシャツを着ているお客さんが来ています」。店に現れたその常連は、「和」のラーメンのビジュアルが大きくプリントされた手作りTシャツを身にまとっていた。「『和』への愛が強すぎて友人に作ってもらったんです」と、照れくさそうに語ったという。
「いつもは静かに食べて帰る方だったので、本当に驚きました」。馬場さんは当時をこう振り返る。「これからも誰かの人生に影響を与えられるようなラーメンを作っていこうと、力がみなぎりました」。応援という言葉を、真正面から受け止めた瞬間だった。
ネットで話題にはならなくても、確かに存在する物語
ラーメン店を巡っていると、時折やるせないニュースに出くわす。店主と客のトラブル、SNSでの炎上、心ない書き込み……日々、ネットの海には刺激的な言葉が溢れている。
しかし、ラーメン店とお客の関係は、本来こんなにも豊かだ。カウンターで交わされた何気ない言葉が、店主の迷いを断ち、明日への活力になる。そしてその一杯は、また誰かの一日を支える。ネットニュースにはなりにくい、けれど確かに存在する物語を、これからも伝えていきたいと思う。
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