「うちは主に平日のランチ営業なので、なかなか来られない方も多いんです」。吉田さんはそう話す。だからこそ、足を運んでくれた客の言葉はひときわ染みる。「有給を使って来ました、美味しかったです」と言われたときは、思わず胸が熱くなる。さらに、「なかなか来られないので、楽しみすぎて昨日夢にでてきました!」や、常連客が「美味しすぎて先日夢にでてきました!」と笑顔で告げられることも少なくない。
店名通り、“夢に出てくるラーメン”になっている――それは作り手にとって最高の賛辞だ。
同店では週に1度、水曜日の夜だけ特別営業を行っている。昼に来られない人たちのための時間だ。その夜の常連から、こんな言葉をもらったことがあるという。
「この水曜日の夜、『Dad's Ramen』に来て店長さんやお母さんとお話しすることを毎週楽しみに仕事を1週間頑張っています。幸せな空間と美味しいラーメンをいつもありがとうございます!」
ラーメンそのものだけでなく、店という空間、そこにいる人との会話が、誰かの1週間を支えている。
カップルが次々と結婚!人生の節目に立ち会うラーメン
吉田さんの営む「Dad's Ramen 夢にでてきた中華そば」ともう一つのお店「煮干しNoodles NiboNiboCino」では、象徴的なエピソードがある。
デートで訪れるカップルが多く、そのまま結婚に至った二人が10組以上いるというのだ。「今から婚姻届を出しにいく前に思い出のお店に来ました」「彼女のご両親に挨拶に行く前に気合いを入れに来ました」。結婚式後に「プロフィールアンケートの“私たちの大好きなお店”にこの店の名前を書きました」と報告に来る夫婦もいる。
「皆さんの思い出の1ページになれているんだなと思うと、こちらも幸せになります」。吉田さんの言葉には、誇りとやさしさがにじむ。一杯のラーメンが、人生の節目に立ち会う。これほど尊い役割があるだろうか。


















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