「◯◯と言ったら教師を辞める」元教員が自分に課していた「叱り方」の4ルールと、"子どもを叱って自己嫌悪"から脱却する方法とは?

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叱るとは、「いけない」で終わらせることではありません。「ではどうすればよかったのか」を子どもと共に考える営みであると考えます。

私が定めていたルール4つ

小学校教員時代、私はいくつかの自分なりのルールを設けていました。

1. 保護者や小学生時代の自分が隣にいると想定して話すこと。もし言えない言葉であれば、子どもにも言うべきではないと考えました。

2. 「教育委員会に言う」と言われても(実際に子どもに言われたこともあります)、「どうぞ伝えてください」と言える指導を行うこと。そう言えない場合は、内容か伝え方を見直す必要があると判断しました。

3. 緊急時を除いて、叱る前にメモを取ること。一呼吸置くためにそのようにしていました。また、「バカ」「アホ」といった言葉を使ったら教師を辞めると自分に課していました。

4. 同じことを伝え続ける場合でも筋を通すこと。それでも理不尽な状況が生じることがあります。そのため、教員を守る制度や仕組みを整えることも必要であると考えます。

「心に響く叱り方を教えてほしい」と言われることがあります。しかし、重要なのは響かせる技術ではありません。

叱ることに過度に感情を乗せる必要はありません。褒めることについても同様です。重要なのは、行動に対して具体的なフィードバックを行い、その意味を共に確認することです。

「この行為はよくなかった」と伝えるだけでは不十分です。「なぜよくなかったのか」を明確にし、「ではどうするのがよかったのか」を共に考えます。その積み重ねによって、子どもは社会で生きる基準を自分のものにしていきます。

叱るとは怒りを表出する行為ではありません。社会で生きるための基準を、子どもと共に確認していく営みであると私は考えています。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
樋口 万太郎 中部大学 現代教育学部 現代教育学科 准教授

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ひぐち まんたろう / Mantaro Higuchi

1983年大阪府生まれ。大阪府公立小学校、大阪教育大学附属池田小学校、京都教育大学附属桃山小学校、香里ヌヴェール学院小学校を経て、現職。「子どもに力がつくならなんでもいい!」「自分が嫌だった授業を再生産するな」「笑顔」が教育モットー。オンラインサロン「先生ハウス」主催。編著書に『その自由進度学習、間違っていませんか? 失敗しない進め方』(明治図書出版)など。

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