「お前も鬼にならないか?」鬼滅やチェンソーマンに見る、令和の若者が"強大な力への代償"に投影する心理

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また最近映画でも有名な漫画「チェンソーマン」では、悪魔が存在している世界が描かれています。その悪魔と契約した人物は、その悪魔の力の一部を使うことができるようになるという設定になっています。

「未来の悪魔」と契約した早川アキは、数秒先の未来であればわかるようになる能力を得ます。契約という形で力を借りることで、人間でありながら超常的な能力を行使できるのです。

このパターンでは、人間は基本的に人間のままであり、あくまで超常的存在の力を「借りている」状態と言えます。契約の対価を支払うことで能力を使用できるという構造が、多くの作品で採用されています。

2.超常的存在そのものになるケース

次に、悪魔や神・天使などの超常的な存在との契約や能力譲渡により、その人物が超常的な存在になってしまうような作品もあります。

漫画「HELLSING」では吸血鬼が存在し、人間から吸血鬼になったものは不死身になるのと同時に、特殊な能力が得られるという設定になっています。例えば作中でゾーリン・ブリッツという敵の女吸血鬼が幻覚を見せるという展開がありますが、これも彼女が人間から吸血鬼になった存在だから異能力が発現しているといえます。

漫画「ONE PIECE」も「悪魔の実」と呼ばれる木の実を食べることで能力が発現するという形になっています。これがどういう原理のものなのかはまだ作中でもわかっていませんが、「悪魔」の力を得ることができて異形の存在になれるという設定となっています。

そしてこうした悪魔や神・天使が出てくる作品だと、「超常的存在そのもの」になってしまうというケースがあります。一番有名なのは漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の「俺は人間をやめるぞ ジョジョーーッ」というセリフでしょう。

この作品の第1部でディオという人物が石仮面を被り吸血鬼になるときにこのセリフを言いました。人間であることをやめ、より強大な存在へと変貌する瞬間を象徴する名シーンです。

漫画「ドロヘドロ」は、魔法使いが出てくる作品ですが、同時に「悪魔」も登場し、とある方法によって魔法使いは「悪魔」になれるという設定になっています。この作品では、魔法使い自体が頭の中に小さな悪魔がいる「亜人」として扱われており、超常的存在との境界が曖昧に描かれています。

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