「生まれ変わっても、俺は京浜東北線に住む」 奈良出身で神戸大卒、京浜東北線沿いに15年在住の46歳男性が語る「見栄えより質」の街の魅力
勢田さんは「浦和駅にも飲み屋はあるけど、おとなしいもんですね」と笑う。すると関西人の血が騒いだのか、勢田さんはこんな例えを持ち出した。
「関西でいうと、阪神沿線と阪急沿線との違いのような感じかな。どっちが良い、どっちが悪いじゃなくて、味があるほうと品があるほう、みたいなね」
先に説明した通り、京浜東北線は埼玉・東京・神奈川を結ぶ長い路線だ。ビジネス街、下町風情を残す街、異国情緒あふれる街など、区間によって雰囲気はガラッと変わる。住む人の特徴も、エリアによって違いがありそうだ。
「ほかのエリアはわからないですけど」と前置きしつつ、勢田さんは15年以上住んできた実感を語ってくれた。
「さいたま市の住民は、名より実を取るタイプが多いんじゃないですかね。なにかとネタにされがちな県だけど、このエリアは実際に暮らしてみると合理的で住みやすい。派手さより堅実さ。見栄えより質。そうした価値観の人が集まってる気がします」
映画『翔んで埼玉』でもイジられたしね、と少しおどけながら付け加えた。
中途半端な行き先にも、運転パターンを覚えることで対処
ちなみに、京浜東北線を利用していて残念に思う点はないのだろうか。この問いに「う〜ん」と少し考えてから「大変なので終電にはなるべく乗らないようにしていました」と答えてくれた。
京浜東北線は「めちゃくちゃ混むし、しょっちゅう遅れる」路線だが、実は中途半端な行き先が多い路線でもある。「南浦和行き」「赤羽行き」「東十条行き」など、あと少しで主要駅なのに、その手前で止まってしまう電車が多い。
編集プロダクションに勤めていた頃の勢田さんは、帰宅が深夜になることも多かった。終電を逃すと残されているのは「赤羽行き」のみで、埼玉県にすら入れず7000円ほどかけてタクシーで帰宅したこともある。しかし京浜東北線に乗り続けるうちに、自然と対処法が身についたという。
「23時以降の運転パターンは全部覚えてました。夜は南浦和行きが多いんですよ。だから大宮行きの電車は何時何分発かを頭に入れておいて、それに間に合うように動いてました」
京浜東北線は慣れないうちは少しクセがあるが、付き合い方さえわかれば振り回されずにすむ路線なのかもしれない。
そもそも彼は、なぜ京浜東北線の沿線に住もうと思ったのだろうか。続く後編ではその理由を探り、さらに沿線から離れない理由を紐解いていく。
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