では、JTCをこの式に当てはめてみましょう。
JTCの売上高利益率(効率的に稼ぐ力)はどうしても低くなります。終身雇用と年功序列により、必要なスペックを持つ人材をその都度登用しにくい構造だからです。「忖度」と「根回し」にも時間とコストがかかります。効率的に稼げないのです。
総資産回転率(資産をムダなく使う力)も低くなりがちです。JTCは変化を避け、過去の成功体験を大切にします。「いつか使うかもしれない」と資産を保持します。ムダが多いのです。
財務レバレッジ(リスクを取る力)も抑えられます。JTCは挑戦より安定を重視します。無借金経営を美徳とし、株主資本を厚く積み上げます。
そしてPERも低くなります。投資家の厳しい目線を避け、成長を優先しません。
つまり、JTCの株価は「非効率×ムダあり×リスク回避×成長鈍化」の結果となります。これでは、株価が上昇するはずもありません。
日立とレゾナックから学べること
一方で、JTCから脱却した企業は見事に中長期的な株価上昇を実現しています。代表例が日立製作所です。
「この木なんの木~」のテレビCMをご記憶の方も多いはずです。あの大きな木は、コングロマリット企業の象徴でした。大きいことは良いこと。多角化は安定をもたらす。まさにそれを体現していたのが、最大22社もの上場子会社を抱えていた日立だったのです。
ところが2010年代以降、日立は劇的に変わりました。事業の選択と集中を徹底し、22年度には上場子会社数をゼロにしました。コア事業に経営資源を集中投下したのです。
連結売上高は当時とほぼ変わりません。しかし時価総額は5倍以上に膨れ上がりました。中身を入れ替え、効率的に利益を上げる体質に生まれ変わったのです。
もう1つの事例がレゾナック・ホールディングス(旧昭和電工)です。
高橋秀仁社長は23年1月、社名を昭和電工からレゾナックへと変更しました。「昭和」という名前自体が古さの象徴。カルチャーを変えるには、まず名前から変える――。その決断が象徴的です。



















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